企業でWikiを活用する方法鍵となる3つのステップ(2/2 ページ)

» 2008年07月14日 15時16分 公開
[Yves Schabes,eWEEK]
eWEEK
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ステップ3:Wikiへの参加を促進するインセンティブプログラムを作成する

 Wikiの選定、そして社内ポリシーの修正が完了すれば、最後のステップは社内のユーザーが実際にWikiを使ってコミュニケーションを行うようにすることである。ここで考慮すべき主要な問題は、従業員の年齢層によってWikiの利用に関する考え方が異なる可能性があることだ。ジェネレーションY(1980年以降に生まれた人々)には、比較的強固な技術的バックグラウンドを持って就職し、技術が急速に変化することを理解している人が多い。

 これに対して、ジェネレーションX(1960〜1980年に生まれた人々)とベビーブーム世代は、それほどすぐにWikiを使い始めるとは思えないため、多少の奨励策やトレーニングが必要になるだろう。IT部門は、消極的な従業員に対してスムーズな移行を促すために、2本立てのプランを実施する必要がある。

 まず、定期的にWikiのトレーニングクラスを開くことにより、ユーザーが実際にWikiを体験したり質問をしたりする機会を与える。2番目の方策は、Wikiの複雑性を理解する高レベルの幹部を育成することである。そしてこれらの「パワーユーザー」がそれぞれの部署でガイド役を務め、Wikiの適正な使用を促進するのである。パワーユーザーは、各部署で生じたWikiに関する疑問をIT部門に伝える窓口としての役割も果たす。こうすれば、Wikiに関する基本的な問題の多くを各部署の内部で処理することができる。

 本稿で紹介したステップは、かなりの時間を必要とするかもしれないが、あなたの会社の従業員がWikiを有機的に利用し始め、ヘルプデスクに対する社内からのリクエストの数を削減するのに役立つだろう。社内Wikiは適切に導入すれば、時間の節約、社内電子メールの利用の減少、ひいては生産性低下に伴うコストの削減につながる可能性がある。


わたしイブ・シャベス博士は1997年に、エマニュエル・ローチ博士と共同で、マルチリンガル対応の自然言語技術を専門とするTeragramを創業した(同社は現在、SASの子会社となっている)。シャベス氏はこの15年間、自然言語処理とコンピュータサイエンスに関連した問題に取り組んできた。「Finite-State Language Processing」(1997年刊、MIT Press)など、科学分野で50冊以上の国際的出版物の著作あるいは編集を手掛けた。ハーバード大学応用科学部門のアソシエート研究員も務める。

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