国内IT投資の今後、「大企業よりSMBで高い成長率を維持」中堅中小が主役となるか

2008年〜2012年における国内のIT投資は、大企業では成長が伸び悩むが、中堅中小企業では堅調に成長する。IDC Japan調べ。

» 2008年07月15日 18時06分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは7月14日、2008年〜2012年における国内のIT投資規模予測と、各産業分野における企業規模別のIT投資動向を発表した。

 調査によると、企業規模別の2007年のIT投資成長率は、従業員が1000人以上の大企業が2.6%、500人〜999人の中大規模企業が6.6%、100人〜499人の中規模企業が4.4%、1〜99人の小規模企業が4.3%となった。大規模企業のIT投資の成長が伸び悩む中、 SMB(中堅中小企業)のIT投資は堅調に推移した。

 2008年における大企業のIT投資は、大手銀行のシステム統合などの大型案件やコンプライアンス対策を受け、IT投資の成長率は上昇するとIDCは見る。

 中堅中小企業でも2008年のIT投資は増える見通しだ。関連会社や取引先の大企業の要請によるシステム基盤の強化、セキュリティ機能の拡充などがIT投資を活性化させるほか、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)やASP(ソフトウェアの期間貸し)など、効率のいいIT投資も成長をけん引するという。

image 企業規模別IT投資成長率の推移 2007年〜2010年(出典:IDC Japan)

 2007年から2012年までのIT投資の年間平均成長率は国内IT投資全体で1.7%となる。企業別に見ると、大企業で2.3%、中大企業規模で3.5%、中規模企業で2.9%、小規模企業で2.9%となり、大企業に比べSMBで高い成長率を維持する見通しだ。

 ITスペンディング シニアマーケットアナリストの内海美徳氏は「団塊世代の大量退職や少子化による労働力不足に対し、自動化や業務プロセスの見直しにITを活用する企業が目立っている。今後は、こうした IT活用に積極的な姿勢を持つ企業と、そうでない企業との間で業績の差が大きくなる」と発表文でコメントしている。

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