エンタープライズ機能が充実した「iPhone 2.0」ソフトウェアに注目(2/4 ページ)

» 2008年07月16日 08時00分 公開
[Andrew Garcia,eWEEK]
eWEEK

ActiveSyncをサポート

 Appleはついに、Exchange ActiveSyncと新しい「Apple MobileMe」同期化機能のサポートおよびPIM(個人情報管理)サービスによって、電子メール、予定表、アドレス帳のワイヤレス同期化を可能にした。これにより企業は、メディアプレーヤーのiTunesを使って同期化サービスを実行しなくても済むようになるが、将来、ソフトウェアをアップグレードしたり、プライベートストアからアプリケーションを配備する際にはiTunesが必要になる。

 iPhone上でExchange ActiveSyncの構成を行うには、最初に電子メールアドレス、ユーザー名、パスワードをメール設定ページに入力し、次にOWA(Outlook Web Access)サーバのFQDN(完全ドメイン名)を入力する。セットアップウィザードは次に、どのデータを同期化させたいのか尋ねてくる。

 ユーザーがアドレス帳または予定表のデータの同期化を選択すると、ActiveSyncはiPhoneに保存されている既存のデータを上書きする。業務目的でiPhoneを導入する企業の場合は問題にはならないだろうが(iPhoneはIT部門によって配備されると思われるため)、Exchangeのデータを自分でインポートするユーザーの場合は、ActiveSyncのインストールを完了する前にiPhone上のデータをすべてアックアップしておく必要がある。

 デフォルトでは、ActiveSyncに対応した電子メールはプッシュ配信される設定となっており、電子メールサーバはメールを着信した時点でそれを配信する。しかしテストでは、このプッシュ機能を利用すると、わたしの第1世代のiPhoneのバッテリーの寿命が極端に短くなることが分かった。

 わたしのiPhoneは1年間使用しているが、通常の使用パターンであればバッテリーは2、3日もつ。プッシュ機能によるバッテリー消費は取るに足らない程度ではないかと予想していたが、同機能を一晩有効にしただけで、わたしのiPhoneのバッテリーは半分以上減っていた。実際、わたしは2日後にプッシュ機能をオフにし、通常の手動同期化設定に戻してしまった。(なお、15分/30分/60分間隔でデータを取り込むようにiPhoneを設定することもできる。)

 プッシュ機能については早々と断念したが、電子メール機能の応答性(特に電子メールを削除する場合)は、IMAP経由よりもActiveSync経由の方がずっときびきびしていることが分かった。iPhone 2.0ではすべてのメールアカウントを対象とした一括削除も可能となっており、ユーザーは削除対象のメッセージの横にあるラジオボタンを選択することで一括削除が行える。

 ActiveSyncでは、すべてのデータをローカルストレージに追加しなくても社内のExchangeディレクトリをわたしのContactsデータベースに結合できる点が気に入った。オンライン状態でContactsアプリケーション(iPhone 2.0ではメイン画面上に専用のアイコンが用意された)で検索しているときに[Groups]ボタンを押すと、会社のディレクトリにアクセスできる。ActiveSync対応のアカウントから電子メールを送信する際に、連絡先検索フィールドまたは[To]フィールドから直接、会社のアドレス帳を検索することも可能だった。

 Calendarアプリケーションは従来とあまり変わらないが、出席依頼が未処理であればアラートを出す新しいアイコンが画面下部に追加されている。

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