従業員が成果を出した時は、成果を出さなかった時よりも明らかに差をつけた金額を支払うことで成果の創出に魅力を持たせる。金額で大きく差をつけることは、中堅中小企業で働く面白さにつながる。
通常、賞与の支払い回数が年間2回〜3回であるところ、年間4回の支払いにする。年間4回の賞与支払いの狙いは、四半期毎の個人成果や会社業績をスピーディに個人の報酬に反映させることにある。事務手続き上の煩雑さや、賞与支払原資となるキャッシュを四半期ごとに準備しなければならないなどの運用上の対応は必要となるが、従業員にしてみれば成果・業績が実感できる仕組みである。
従業員に特に促したい成果・行動を賞与算定の要素にする。B社(ホテル業)では、賞与に「(ホスピタリティ)成長加算」という要素を追加した。従業員は年度の初めに自分がどんな接客サービススキルを身につけるかをリストアップし、期末に3段階で評価を行う。評価ごとに支払い金額が決まっており、賞与に「成長加算」という項目で支払い金額が加算される。達成度が直接金額に反映するという分かりやすさを通して、従業員に動機付けを図っている。
最後に、ほかの制度等との関連で問題がないかをチェックする。1つめはトータルリワードで報酬という概念でくくられていたもの、すなわち、今回言及していない年金や福利厚生といった、より広い意味での報酬制度の中での整合のチェックである。
もう1つは経営理念、仕事のやり方、権限、職場環境、評価などほかのリワード要素と齟齬がないか、ほかの要素と組み合わせることにより、もっと効果をあげられないかというチェックである。仕事の自己裁量や権限がほとんどないような職場の従業員に、成果によって差がつくような制度を適用してもモチベーションを下げるだけになってしまう。
SAP改革をトップに説き伏せる方法
アメニティーズは長野県を中心に17店舗のパチンコ店を展開する。競合他社もあり楽観できない経営環境だった。遊技台はデジタル化が進む中で、個別の遊戯台に掛かるコストを低減し、利益を増やし、遊技台の「労働生産性」を高める工夫が必要だ。バラバラだった同社のITをSAPで最適化する取り組みを開始した。
至れり尽くせりのシステムを捨てた――TOMOEGAWAの勝算
TOMOEGAWAは日本における産業用特殊紙のパイオニア。最近では半導体関連製品など先端分野の材料も開発する。同社はSAP ERPにより、ビジネススピードを飛躍的に向上させたという。「至れり尽くせり」で「つぎはぎだらけ」だったシステムをどのように刷新したのか。
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