VMwareが「ESXi」ハイパーバイザーを無償提供へ(2/2 ページ)

» 2008年07月24日 16時49分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK
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 「条件は何も付いていない。ESXiを入手して利用するだけでいいのだ。仮想環境を実現するのに、Windows 2008にアップグレードしたり、データセンターに新しいOSを導入したりする必要はない。結局、ハイパーバイザーは基盤技術にすぎず、顧客が求めているのは総合的なソリューションであり、また、ハイパーバイザー上に構築される仮想環境がもたらすメリットなのだ。そういったことをやりたいという顧客は、ハイパーバイザーの上に仮想環境を構築するのに役立つ当社のVirtual Infrastructureを購入するだろう」とラグーラム氏は話す。

 VMwareはESXiハイパーバイザーの無償提供を決めたが、ラグーラム氏によると、ソフトウェアコードをオープンソース化する予定はないという。VMwareでは、7月22日の発表前にESXiを有償で購入した企業を対象とした払い戻しプランも準備中だ。

 無償ハイパーバイザーの発表は、仮想化市場の質的変化を反映したものでもあるようだ。

 「この6カ月、Citrix SystemsがXenSourceを買収し、MicrosoftがHyper-Vをリリースするなど、仮想化分野をめぐる状況が大きく変化した」と指摘するのは、Pund-IT Researchのチャールズ・キング社長だ。

 「数年前までは、ユーザーがESXハイパーバイザーを500ドルで購入できるというのは悪い話ではなかった。しかし現在、ベアメタルハイパーバイザーの価格は、基本的に無料かそれに近い。ベアメタルハイパーバイザーが無償のコモディティになり、仮想化が一般化するのに伴い、VMwareは生き残るためには無償化するしかないと気づいたのだろう」とキング氏は話す。

 マリッツ氏によると、VMwareではハイパーバイザーの無償版に加え、クラウドコンピューティングインフラの拡張を支援するために自社の技術を利用する取り組みを進めるという。VMwareは9月に開催される「2008 VMworld」カンファレンスで、一連のクラウドコンピューティングソフトウェア製品を発表する予定だ。

 さらにマリッツ氏は電話会見で、「MicrosoftがHyper-Vの提供を開始した今、VMwareはSMB市場への進出を拡大し、この市場でさらに多くの仮想化製品を投入する必要がある。無償のESXiサーバは、この方向に向けた第一歩である」と語った。

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