ステップ1で人事評価の目的を明確にしたら、次に評価要素を決定する。評価要素とは、評価の対象としてみるべき事項を定めたものである。図3は、人事評価の目的(社員に求められる事項)から5つの評価要素を決定した事例である。目的が明確であれば、評価要素の決定も容易である。
評価要素の分類方法は、さまざまな考え方があるが、その要素を大まかに分けると次の6項目となる。
評価要素(例)
管理方法(例)
上記6つの評価要素、あるいは、特に重視する項目を評価要素とするなど、ステップ1で明確にした人事評価の目的に応じて柔軟に設定する。例えば、行動を応用行動と基本行動の二つに分けるなどのバリエーションが考えられる。
次に、各評価要素の運用方法を検討する。これを評価の「管理方法」と呼ぶ。ここでは、対象者は誰か、評価方法はどうするか、処遇や他の施策への反映のさせ方をどうするか、といった項目を決める。評価の方法としては一般に次の3項目が考えられる。
評価の方法
一般に、成果や行動は自由記述や目標設定により、職務、能力、知識や経験は基準をあらかじめ明示しておく方法を取ることが多い。各目的に応じた最適な評価方法を選択するように検討することが必要である。評価要素と管理方法の両方を明確にすることを、評価のフレームワーク作りと呼ぶ。
図4は、評価要素を成果と行動(応用と基本)の2種類3分類と設定した事例である。この例では、成果は目標達成度で、応用行動と基本行動は基準をあらかじめ提示した形式で評価することを決めた。
ここで決めた項目に、組織のバリューとして経営戦略にも盛り込まれていた「成長と利益」「顧客サービス」「安全」の3項目を重視したい項目として追加するとともに、評価の管理方法を決定した。その検討に際して使用したシートが図5である。図5が埋まればフレームワークは完成である。
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