中堅中小企業の経営基盤改革術

社員が育つ――中堅中小企業の評価制度設計の進め方人事戦略コンサルタントの提言(3)(3/5 ページ)

» 2008年07月28日 08時00分 公開
[三城雄児,ベリングポイント]

ステップ3 評価項目(ターゲットとメジャー)を設定

 評価要素と管理方法が決定し、フレームワークが完成したら、具体的な評価項目を決定する。評価項目とはターゲットとメジャーである。ここで重要なのは「現場の社員に検討させること」である。中堅中小企業において、人事評価制度の検討プロジェクトは、絶好の人材育成の機会であるからだ。

 まずは各部門から複数の人材を選出する。彼らにステップ2で作成したフレームワークを用いてもらい、その中身を埋めてもらう。第一に、制度改革担当者が各部門のキーパーソンにインタビューを実施して、たたき台を作成する。次に、そのたたき台を用いて、各部門でディスカッションをしてもらう。

 このディスカッションには管理職を全員集めるといい。ディスカッションすることで、一人ひとりの評価(指導)の基準の違いをこの段階で認識し合い、組織として何を重視し、何を一貫したメッセージとして伝えていくのかを明らかにする。明らかになったものを明文化すれば、評価制度は完成である。この際に、評価(指導)の基準が不明瞭、あるいは、部下に求めている水準の低い管理職がいたら、この場で徹底的に改善を促したい。評価項目は、部下の働きぶりを判定するツールでもあるが、上司の指導レベルの最低基準でもあるのだ。

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