「泣き言はやめて行動を開始しよう」――オープンソースのプリマドンナがアピールジェンダーギャップは幻想(2/2 ページ)

» 2008年07月30日 08時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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 一方、コンサルタントでO'Reilly Mediaのブロガーでもあるネイサン・トーキントン氏は、子供たちにプログラミングを教えた経験から、「あなた方が思っているようなジェンダーギャップ(男女差)は存在しない。わたしは8歳から10歳の子供に教えているが、女の子のほうが数学能力と集中力に優れている」と述べた。

 「Heroes: Women in FOSS」(ヒーローたち:フリー/オープンソースソフトウェア分野の女性)と題されたOSCONのセッションでは、豪シドニーに本社を置くWaugh Partnersでコンサルタントを務めるピア・ウォー氏が「わたしの母親が技術者だったので、わたしはコンピュータとともに育った。だからジェンダー問題について考えることさえなかった」と述べた。

 ウォー氏によると、IT業界における男性と女性の数の不均衡に初めて気づいたとき、「多くの女性たちは、自分がどれほど素晴らしいチャンスを見逃しているのか分かっていない」と思ったという。

 しかし同氏はやがて、ジェンダー問題を目の当たりにしたり経験したりするようになり、これはジェンダー問題というよりも文化的な問題であると考えるようになった。「これは男女の肉体的な差異と何の関係もない。どんな世界にも愚か者はいる」と同氏は語った。

 ウォー氏はオープンソース分野の女性ヒーローとして、クーパー氏のほか、OpenLogicのストーミー・ピーターズ氏、Mozillaのミッチェル・ベイカー氏などの名前を挙げた。

 ウォー氏はさらに、IT業界における女性の全般的窮状を改善するために女性ができることについて、幾つかの提案を行った。

 「We need」(わたしたちに必要なのは)というタイトルのプレゼンテーションで同氏が示したアドバイスは、「事実を知る、互いに結び付く、悪意とは受け止めず愚かだけなのだと考えるようにする、夢の実現を目指す、給与と交渉術について学ぶ、ほんの少しだけ感情移入する、問題が目標達成の妨げにならないようにする、主張する、隠れない、他人を励ます」というものだった。

 ウォー氏もやはり、OSCONで何人かのスピーカーが指摘したことを述べた。すなわち、フリー/オープンソースソフトウェアは「社会変革のための世界で最も強力なプラットフォームである」ということだ。これは真実かもしれないし、そうでないかもしれない。わたしは、そうではないような気がする。あまりにも大ざっぱな議論のように思えるからだ。

 いずれにせよ、「わたしたちは政治、社会、経済の問題、デジタルデバイド、そして自分たち自身の問題を乗り越えて成功しなければならない」とウォー氏は付け加えた。

 その通りだ。これは泣き言ではなく、現実を直視した発言だ。

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