NTTデータの1Qは増収増益 連結子会社の拡大などが奏功

NTTデータの1Qは、連結子会社やアウトソーシングサービスの拡大が奏功し、増収増益となった。

» 2008年08月01日 08時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 NTTデータは7月31日、2008年4〜6月期(第1四半期:1Q)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比12.3%増の2449億円、営業利益は同5.5%増の211億円となった。連結子会社やアウトソーシングサービスの拡大が奏功し、増収増益となった。経常利益は同0.8%増の208億円、純利益は同0.7%増の119億円。第2四半期累計予想および通期業績予想は据え置いた。

 売上高の増収分は267億円。そのうち140億円が連結分の増収に当たり、2008年1月に買収したシステムインテグレーション事業を手掛ける独itelligenceやNTTデータジェトロニクスなど連結子会社の拡大がけん引した。

 同社は中央省庁や自治体向けのサービスを展開する公共分野、銀行や証券会社向けの金融分野、一般事業法人向けの法人分野の3事業を展開している。分野別の売上高は、公共分野が前年同期比14.1%減の547億円、金融分野が同31.5%増の1061億円、法人分野が同14.2%増の780億円となった。

収支、受注の概要(写真右)と、分野別売上高(写真左)
image 今後の拡大が予想されるNGN(次世代ネットワーク)については「現在大きな案件はない」と榎本氏

 公共分野の減収の要因には、「ゆうちょ銀行のシステム開発部門を公共分野から金融分野に移したことや(業務・システム)最適化計画(の案件)が一巡したこと」(塩塚直人執行役員財務部長)がある。対策として、同社が成長エンジンと期待を込める公共分野のヘルスケア関連について収益増を図る。現在「売上高は50億円程度」(塩塚氏)に上っているという。

 好調な金融分野および法人分野について榎本隆副社長は「楽観はしていないが致命的な下ぶれはない」とし、「景気が厳しくなっているが、新規の受注案件も増えている、企業のIT投資削減にはつながっていない」と景況感を述べた。

 榎本氏は「2000人を超える従業員の転籍を含めた事業構造の改革が、増収増益という数字になって現れた。通期の営業利益1000億円台を目指して着実に歩を進めたい」と意気込んだ。

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