CRMの新潮流

客を探せ――格闘する日本企業CRMの新潮流(4/4 ページ)

» 2008年08月01日 04時56分 公開
[怒賀新也,ITmedia]
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 メールマガジンは、今となってはかなり歴史のあるメディアだ。そのメルマガを利用して新たな顧客獲得手段を提供する動きが出てきた。

 1000万人以上の読者にメールを配信するメルマガ配信最大手のまぐまぐは7月9日、各種商品を販売する企業向けにマーケティング支援の新サービスを開始した。信頼できるメルマガ発行者に企業の商品を紹介してもらい、読者の間で口コミの形で商品の認知度を上げることを狙うもの。サービス名は「まぐまぐ!バズ」だ。

 読者の多くはメルマガを自発的に登録し、購読しているため、メルマガの記事に信頼感を持っているという。そのメルマガ上で、発行者が企業の商品やサービスの使い勝手などを紹介することで、読者に強い影響を与える。例えば、発行者が化粧品などの商品サンプルやトライアルキットを受け取って使用したり、各種のイベントに参加したりする。その上でさまざまな視点で読者に向けて製品やサービスを紹介する。

 商品を紹介するメルマガ発行者は、発行部数1000部以上、創刊1年以上、発行周期が正しく守られていることという3点の条件を満たす必要がある。

 この手法は、口コミを通じた顧客獲得手法としては従来よりもかなり体系化されているといえる。「インフルエンサー」としてのメルマガ発行者の影響力がどれほどのものなのか。サービス開始後の経過にも注目したい。

 ここまでみたように、企業の生命線といえる顧客の獲得手法は日々変化している。斬新なアイデアや心理学、ITなどさまざまな要素が絡み合ったところに新境地が見えてきそうである。

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