Microsoftが7月に行った10の良いこと忙しい月(2/3 ページ)

» 2008年08月02日 08時00分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

4. Apache Software Foundationへの資金提供

 Microsoftは実質的にLAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Python/Perl)の勢力を弱めた。Sun Microsystemsは1月にMySQLを10億ドルで買収し、LAMPで最も重要な2つのコンポーネント(MySQLとApache)の1つを手中に収めた。Microsoftは何も買収しなかったが、ApacheのPlatinum会員になったことで同社の影響力が高まるだろう。

 Microsoftにとっては、競争力と対顧客の両方でメリットがある。競争という面では、Apacheは1990年代末以来、MicrosoftのWebサーバソフトウェア戦略にとって障害となってきた。オープンソース的な(といってもGPLとは異なる)方式で各種の技術を選択的にライセンスするというMicrosoftの最近の戦略は、オープンソースの競争力の拡大にブレーキをかけた。

 またMicrosoftは、自社のソフトウェアとApacheとの相互運用性を高めることができる。これは同社の顧客にとって良いことである。しかし、この相互運用性で最大のメリットを得るのはMicrosoft自身である。同社の巨大な市場シェアが理由である。比喩を用いて説明しよう。米国が、1〜2品目の主要産品を輸出している小国に製品を販売する協定を結んだとする。その場合の経済的相互運用性は、規模の大きな米国市場により大きな恩恵をもたらす。米国の方が輸出する製品がたくさんあるからだ。

5. Powersetの買収

 わたしは、Powersetの検索技術は過大評価されていると思っている。しかし同社の技術者と特許には、Microsoftが買収に支払った金額に十分見合う価値がある。自然言語検索は、携帯電話にとってキラー検索アプリケーションになるだろう。大多数の人々の主要なコンピューティングデバイスとして、携帯電話がPCに取って代わるのは確実だ。Powersetの開発チームは、自然言語検索分野へのMicrosoftの進出およびナチュラルユーザーインタフェースの開発を加速させるだろう。

6. Games for Windows - Live

 Microsoftは7月22日、Games for Windowsユーザー向けにLiveを無償化すると発表した。大して重要な発表のように思えないかもしれないが、決してそんなことはない。米国でのMicrosoftの独禁法訴訟や市場の変化のために、Windowsにアプリケーションをバンドルするというのはもはや効果的な戦略ではなくなった。しかしサービスのバンドルは非常に有望な戦略だ――たとえそれが目立たないように行われたとしても。

 Windowsの競争力およびユーザーへの恩恵という視点から見れば、MicrosoftがゲームプラットフォームとしてWindowsに新たな活力を注ぎ込み、Xbox Liveのゲーム機能の一部をWindowsユーザーに提供したのは、賢明な選択だった。

7. Facebookとの検索提携

 Google(とMySpace)およびMicrosoft(とFacebook)が、ソーシャルネットワーカーが検索広告の対象ユーザーとしての魅力に乏しいと考え始めているのは間違いないと思う。あなたは高速道路をドライブしているときに広告の看板に気づくだろうか。情報ハイウェイを走っているソーシャルネットワーカーも同じだ。

 しかし現在、Microsoftは同社が獲得する大量の検索とページビューを利用することが可能になった。Microsoftにとっては、Facebook検索および検索広告にGoogleが利用されるよりも、Windows Liveの検索技術が利用される方がいいのだ。確かに、FacebookとMicrosoftは既存の提携を拡大しているだけだが、これは維持すべき重要な提携なのである。

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