日本オラクル、内部統制を支援する「GRC」製品を拡充ガバナンス体制の最適化に

日本オラクルは、内部統制支援アプリケーション製品群「Oracle GRC Suite」を発売した。

» 2008年08月05日 18時31分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本オラクルは8月5日、コーポレートガバナンスやリスク管理、コンプライアンス強化を支援するアプリケーション製品群「Oracle GRC Suite」を発売した。内部統制に基づいて構築したガバナンス体制の見直しや最適化を支援する。

Oracle GRC Suiteの構成イメージ

 Oracle GRC Suiteは、オラクルが提唱する戦略的な企業経営を実現するコンセプト「GRC(Governance, Risk management, Compliance)」に基づいて、内部統制の運用を支援する。内部統制の運用状況を管理する発売済みの「Oracle GRC Manager」のほか、新たに発売した分析・リポーティングツール「Oracle GRC Intelligence」と、アクセス権限管理ツールの「Oracle GRC Control」で構成されている。

 リスクデータベース製品に位置付けられるOracle GRC Managerは、業務プロセスなどの策定や管理、評価、改善などの機能を提供する。Oracle GRC Suiteへの統合に伴い、新たに11カ国の言語サポートや複数の言語環境によるカスタマイズ化、監査範囲の絞り込み機能、権限の一括更新機能などが搭載された。

 Oracle GRC Intelligenceは、GRC Managerで管理する情報を可視化するダッシュボードツールとして、ドリルダウン式による内部統制状況の詳細把握やユーザーごとのリポート作成機能を提供する。Oracle GRC Controlでは、職務分掌に基づいた効率的なアクセス管理を実現できるよう、組織変更などにおける大規模な権限設定の変更や設定の不備を防止するシミュレーション機能、詳細な変更履歴の管理、リアルタイムのトランザクション監視などが行える。

Oracle GRC Suiteがカバーする内部統制強化のプロセス

 同社では、3製品による最小構成での価格を2000万円からとしている。

「After J-SOX」が本格始動

 企業が対処すべき課題について、製品戦略統括本部の入江宏志シニアディレクターはグローバル化やM&A(企業の買収・合併)、アウトソーシングなどに伴う経営環境の複雑性、日米欧におけるSOX環境対応への強化、構築した内部統制の体制の見直しなどを挙げた。

入江氏

 2010〜2011年度にはSOX環境が世界の標準として整備される見通しであり、GRCコンセプトは「経営管理」および「リスク管理」「ITインフラ管理」の3領域におけるガバナンスの最適化によって、「適正な企業経営や持続的な成長が可能な組織環境を実現するもの」(入江氏)という。

 多くのJ-SOX対象企業では、J-SOXの全面導入を受けて内部統制のあり方を見直す動きがスタートしており、今後はガバナンス体制の合理化やプロジェクト単位でのプロセス管理(Project to Process=P2P)といったことが求められるようになるという。

 入江氏は、「コンプライアンスの確立から適切なリスク管理、さらには適正化された内部統制の実現に取り組む企業を支援していきたい」と話した。

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