インターネット時代に登場した有力企業にも、スタンフォード大学出身者が設立したところが少なくない。インターネットの普及とともに目覚ましい発展を遂げたネットワーク機器ベンダーのシスコシステムズは、1984年にスタンフォード大学で働いていたレン・ボサックとサンディ・ラーナーが創業した企業だ。
そして、スタンフォード大学から生まれた企業として特に著名なのが、ヤフーとグーグルである。
ヤフーは、スタンフォード大学の学生だったデビッド・ファイロとジェリー・ヤンによって設立された。2人は1994年に、スタンフォード大学のネットワーク内に興味深いページのリンクを階層的に分類したサイトを開設。1995年には、サイトをネットスケープ・コミュニケーションズのサーバに移転するとともに、会社を設立している。以降、ディレクトリ型検索サービスを中心に、企業買収によって手に入れた豊富なインターネットサービスの提供によって目覚ましい発展を遂げたのは、説明するまでもない。
1998年に創業したグーグルも、スタンフォード大学で生まれたものだ。現在の検索エンジンの原型は、1996年にスタンフォード大学の学生だったラリー・ページとセルゲイ・ブリンによって開発されたもの。会社設立に際しては、サンの創業者の一人、アンディ・ベクトルシャイムが資金を提供している。
インターネットを利用した決済サービスを提供するペイパルの共同創業者の一人、ペーター・ティールもスタンフォード大学の出身。そのペイパルからドロップアウトしてユーチューブを設立した創業者の一人、ジョード・カリムは現在、スタンフォード大学のコンピュータサイエンス修士課程で学んでいる。
現在エンタープライズ分野では企業システムの仮想化が注目されているが、そのトップシェアを誇るヴイエムウェアもスタンフォード生まれ。同社は1999年、同大で教鞭をとっていたメンデル・ローゼンブラムらが創業したものだ。
このほか、創業者ではないIT企業のリーダーとしては、マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー、インテル会長のクレイグ・バレット、HP元CEOのカーリー・フィオリーナなどの人物がいる。
ドイツ語の「Die Luft der Freiheit weht(自由の風が吹く)」を校是とするスタンフォード大学。同大学からは、将来もどのような創業者が生まれてくるのだろうか。
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