シグマクシスの倉重CEO、会社運営ではダイバーシティを重視カリスマ経営者に聞く

経済がスタグフレーションの様相を呈する中、今後企業はどんな人材管理をするべきか。5月に設立されたコンサルティング企業、シグマクシスの倉重英樹社長に聞いた。

» 2008年08月20日 08時00分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーションの様相を呈する中で、企業の将来の成長を見据えた人材採用も難しい舵取りが求められる。今後企業は人材を採用する際にどんな取り組みをするべきなのか。5月に設立されたコンサルティング企業、シグマクシスの倉重英樹社長に聞いた。

 「一を聞いて十を知る人材が欲しい」と倉重氏は話す。オーソドックスながら、特にコンサルティング企業で活躍するには重要な素養だという。

IBM出身で、コンサルティング企業の旧Pricewaterhouseの日本法人およびIBMビジネスコンサルティングサービスで会長を務めた倉重氏

 同氏は日本IBMを経て、プライスウォーターハウスコンサルタント会長、IBMビジネスコンサルティングサービス会長を務めた。その後、日本テレコム取締役代表執行役社長、RHJインターナショナル・ジャパンなどを経て、5月にシグマクシスを設立し、コンサルティング業界に復帰した。シグマクシスには三菱商事とRHJインターナショナルが共同出資している。

 倉重氏は5月の会社設立会見で、2つのサプライズを提供した。1つは、人月主義一辺倒の考え方を転換して「成功報酬型サービスの要素を取り入れる」と意気込んだこと。もう1つは「5年後をめどに社員を2000人体制にする」とぶち上げたことだ。質を保ちながらコンサルタント2000人を確保するのは容易ではない。

 採用するためにどんな施策を実施するのか。「僕のころは企業戦士の時代。会社人間であることが当たり前だった」と同氏。この時代は、いわゆる「あうんの呼吸」が通じる組織で、皆が同じであることを求める画一性マネジメントだったという。大量生産など効率性が求められた時代の考え方だ。

 価値観が多様化し、大量生産の商品ではなくユニークな商品が売れるようになっている現代、「必要なのは創造的活動」という。その点で「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)が叫ばれるように、今のビジネスマンは自身の人生を全体として見ようとしている点は良いこと」と倉重氏は続ける。企業は「評価制度、人事制度などを画一性から開放する必要がある」という。

 そうして考えた結果として倉重氏は「ダイバーシティ(多様性)マネジメント」をキーワードに据えた。社員間、部門間、ビジネスパートナーだけでなく、顧客ですらパートナーとして取り込み、コラボレーションしていくべきと指摘する。

 そこで倉重氏が考える働く環境のアイデアは「Work at any place」(どこでも働ける環境)だ。虎ノ門の新オフィスでは、ブロードバンド環境を最大限に生かし、ウェブ会議ソフトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などを組み合わせて、離れていてもあたかも一緒にいるかのように働けるような環境を目指している。

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