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» 2008年08月21日 16時02分 UPDATE

CRMの新潮流:CRMツールがもたらすビジネスへの客観的な視点 (1/2)

CRMツールによって、マネジャーは自社のビジネスを客観的にとらえることができる。マネジメントは冷徹なものでなくてはならないが、クールな視点が個々のスタッフの疲弊を和らげる効果も生み出す。

[ITmedia]

この記事はオンライン・ムックCRMの新潮流のコンテンツです。


CRMツールでビジネスの精度を高める

 CRMがいま再び注目されているのは、顧客を囲い込むというマーケティングの側面からだけではない。顧客が発注してくれそうな仕事を確実にものにして利益を上げていくという、受注とコスト管理に活用したいというニーズが高まっているからだ。受注をできるだけ増やしたい、というのはどの企業も求めるものだし、永遠の課題である。しかしやみくもに受注を増やしてもコスト割れかそれに近い案件ばかりでは経営は成り立たない。利益率の高い案件を競合会社よりもすばやく受注し、確実にこなしていく必要がある。それを実現させるには、自社のビジネスを客観的にとらえるスタンスが不可欠だ。

 ここであるCRM活用の事例を紹介したい。

 京都を拠点に展開する建築会社、流体計画は幅広い建築サービスを提供している。売り上げの多くを占めるのは一般的な建築工事や店舗の改装だが、水まわりの修繕などの簡単な工事も積極的に受注している。同社が抱える案件数は年間約1000件に達しており、従業員数に比べると圧倒的に多い。そこで2006年1月にオンデマンドCRM「Salesforce」を導入し、業務の効率化と案件管理に活用。導入後、わずか1年半で極めて高精度の予実管理を実現したことにより、金融機関からの融資やベンチャーキャピタルからの投資を受け、有限会社から株式会社へと成長することにつながったという。

 同社ではグループウェアを導入して、従業員のスケジュールを把握。電話確認せずに案件を割り当てられる体制を整えることにした。ところが、単純なスケジュール管理だけでは、効率的な案件の割り当てがなかなか実現できなかった。Salesforceの導入後は仕事の割り当てが大幅に効率化された。仕事の依頼はSalesforceに登録し、携帯電話のメールと連動させて全従業員に情報を通知。社長はスケジュールや活動履歴を見て仕事を割り当て、各従業員に連絡。複雑な事情のある現場も、すでに情報共有ができているので、円滑に指示が出せるようになった。その結果、無駄のないスケジュールが組め、1日にこなせる案件数も増えたとか。

 見逃せないのが売上予測とコスト管理だ。以前は請け負った仕事を下請に発注したり、材料を注文するとき、担当者がどんぶり勘定で発注するケースも目立った。そこで5万円以上の発注は必ず稟議を通すルールを新たに定めて、Salesforceのワークフローに乗せることに。各担当者から上がってきた発注書は、受注金額からコスト計算した範囲内で承認を出すため、明らかにおかしい発注ははじくことができる。その結果、ロスが大きく減り、営業利益は約30%アップした。

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