FacebookやTwitterの社内利用をめぐる議論が噴出リスクの取り方が焦点(2/2 ページ)

» 2008年08月22日 08時00分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK
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世代間で異なる考え

 実際、そういった悪質なコードが最近登場した。「Net-Worm.Win32.Koobface.a」と「Net-Worm.Win32.Koobface.b」という2つのワーム亜種で、それぞれMySpaceとFacebookを攻撃する。

 読者からの意見から判断すると、ソーシャルアプリケーションに対する考えは世代間でギャップがあるようだ。年配の従業員が、Facebookなどのアプリケーションを職場で利用することに不快感を示しているのに対して、若手の従業員は、自分たちがソーシャルアプリケーションを利用することに対して年配者が指摘するのを苦々しく思っている。

 若い従業員たちは、年配者への反論としてマルチタスクという概念を持ち出している。すなわち、仕事をしながら、IM、Wiki、ブログ、ソーシャルアプリケーションを利用できるというわけだ。

 これらのユーザーによると、ソーシャルアプリケーションに反対しているのは年寄りで、マルチタスク能力がなく、引退すべきだという。

 しかしある読者(匿名希望)は、マルチタスキングなどは存在しないと主張する。

 「複数のことを同時に行うことはできない。プロセッサと同様、小さなタイムスライスに分割して複数のタスクを処理しているだけだ。FacebookやTwitterなど仕事と無関係の作業に向かうたびに、集中力を分断しているのだ。社内のメールやIMも同じ影響がある」

 Dr. Zinj氏も同意見だ。「人間には真のマルチタスクは無理だ。われわれが行っているのは、複数のタスクの間でフォーカスを切り替えることだ。若い人は年配者よりも切り替えるのが速い。しかし若い人は経験に乏しいため、年配者よりも間違いを犯しやすい。結局、生産性では五分五分だということだ」

 わたしはこの意見に賛成だ。しかしソーシャルアプリケーションの社内利用に対して、一切何もする必要がないと主張する人には同意できない。

 まず、従業員は常識を働かせる必要がある。YouTube、Facebook、Twitterなどのソーシャルアプリケーションに毎日2時間も費やすべきではない。会社が時間の管理や生産性のことをまったく気にしていないというのでないのなら、それは信頼を裏切る行為だ。

 第2に、Gartnerが指摘するように、経営者と従業員の両方がこの問題に取り組むことが重要だ。経営者は信頼ポリシーを策定し、ソーシャルアプリケーションの利用規定に従わない従業員は解雇の対象になることを明記する必要がある。一方、従業員は、会社の機密情報をFacebookなどで公開してはならないことを認識すべきである。

 3番目に、セキュリティ管理者は最高レベルのWebアプリケーションセキュリティを実装する必要がある。これは、ソーシャルネットワーク上のマルウェアを検出できるものでなくてはならない。こういったスパム性の強いアプリケーションからばらまかれるワームやウイルスの侵入を阻止するために、強力なマルウェア対策も必要だ。

 あなたの会社は、どちらの立場を支持してるのだろうか。

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