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» 2008年08月26日 18時57分 UPDATE

変化に対応できるIT、それが企業に求められるIT

8月26日、マイクロソフトが主催する「Microsoft Tech・Ed Japan 2008」が開幕した。ITエンジニアへエールを送りながら、企業システムの企画運用に役立つ情報を発信する4日間がスタートする。

[柿沼雄一郎,ITmedia]

 8月26日、神奈川県のパシフィコ横浜でマイクロソフトが主催する「Microsoft Tech・Ed Japan 2008」が開催された。IT企画者、開発者、運用管理者に向けて同社の最新技術と製品を広く紹介し、企業が情報システム構築および運用を行う際にヒントとなるべく情報をセッション聴講形式で提供する年次イベントで、29日までの4日間開催される。

目まぐるしく変化するIT環境に対応するシステムを

 Tech・Ed開幕にあたり基調講演に登壇したのは、マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏。今年4月に社長に就任した樋口氏は、初めて経験するTech・Edで「わたしも昔はエンジニアでした」と切り出した。PCのマザーボード設計およびテストプログラムの開発などを行っていたという樋口氏は、当時を振り返りながら「エンジニアという職業は仕事に追われる毎日で、外部からの刺激を受ける機会も少なかった」と述懐する。国内開催14回目を迎えるTech・Edが、来場したエンジニアにとってこうした刺激の機会になればと、まずは軽いご挨拶とも受け取れる感想を述べた。

 昨今のITは、携帯電話や放送通信との融合にはじまり、クラウドコンピューティング、レガシーとの統合、ヘテロ(異種)なプラットフォーム間での相互運用性など、さまざまかつ幅広く新たなニーズが生まれている。OS単体でも7000〜8000億円は掛かると言われるソフトウェア開発。ITの潮流がこのように変化してきていることを遠因として、こうしたコストを少しでもロスすることは、ソフトウェアベンダーにとって大きな痛手となりかねない。そのため、ITのニーズをマクロに捉えてそれに応える製品を作っていかなければならないと樋口氏は自戒を込めて言う。さらに今後はPCプラットフォームだけにとどまらず、統合的かつオープンなインターネットの世界へいかに戦略的に対応するかが鍵になるだろうと予測する。

 このようにダイナミックに変化するITに対応するべく、企業システムには柔軟かつ統合的な性格が要求されるようになる。同社の提唱するDynamic IT戦略は、こうした近年の企業を取り巻く、目まぐるしい変化に対応する企業システム構築を可能とする考え方である。Dynamic ITの大きな柱の1つ、「Hyper-V」で実現する仮想化のような効率的な運用管理手法で、企業の生産性を向上させるためのIT構築を目指すというものだ。

 同じく基調講演に登壇したMicrosoft SQL Serverデータベースエンジン開発部門 ジェネラルマネージャー クエンティン・クラーク氏も、ITイノベーションを加速し、生産性向上を実現するものこそDynamic ITであるとし、同社が今後数カ月のうちにリリースしていく製品群がその役割を担っていくものであると語った。

クラーク氏 Dynamic IT戦略に製品を当てはめて説明するクエンティン・クラーク氏

エンジニア支援のコミットメントを強化

 Dynamic ITをキーワードとした今回のTech・Edでは、樋口氏の切り出しにもあるように、そのDynamic ITを駆使して高い生産性を企業にもたらすITエンジニア支援の色を打ち出している。樋口氏は「マイクロソフトは開発者を一番大事にするという大方針を全世界で出した。もちろん国内においても、技術者支援体制を拡大強化している」として、そのコミットぶりを示した。

 具体的な支援策として、2年前から実施している「Power to the PRO」の拡大強化を図る。まずは従来から指摘が多かったという日本語技術情報の不足を解消するため、新規に約1万ページの日本語化技術情報を追加提供する。またWPFといった最新技術の利用を促進する目的で、開発者支援の「Project UX」企画を実施し、開発者の実地体験を広く募集・紹介する。さらにPower to the PROのWebサイトコンテンツも拡充し、マイクロソフトエンジニアが情報発信する掲示板を設けるなどの施策を打つ。またこれも指摘の多かったというライセンス体系の難解さを和らげるため、ライセンスコールセンターの人員を1.5倍に拡充し、対応に当たるという。ITエンジニアに対して利便性向上を図ることで、より優れたIT環境の構築が可能になることを期待する。

 エンジニアの中には、製品の品質に関する不満も多いと樋口氏は述べる。このため、昨年9月にはチーフクオリティオフィサー(CQO)を設置して、製品出荷版完成時の品質保全と万一不備が見つかった場合のワークアラウンドおよびトラブルシューティングが迅速に行えるように改善した。製品担当の役員には、人事評価の際に利用するスコアカードに「品質」の項目も加えたという。

 最後に樋口氏は、Dynamic ITとはITの能力を最大化することであり、ITを単なるコスト削減のためのツールにとどめるのではなく、戦略的な資産にまで高めていくことができるものであるとして、そうした革新を現実のものにできるのがITエンジニア。そのために必要なパワーを提供することがわれわれの仕事であると述べて、協調関係をうまく続けていく意思を表した。

樋口氏 ITエンジニアに対する支援策を発表する樋口社長

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