東京海上日動フィナンシャル生命保険がSalesforceでコールセンターを刷新運用の質と顧客サポートを改善

東京海上日動フィナンシャル生命保険はSalesforce Service & Supportによりコールセンターを刷新。CRMとCTIを融合し、運用効率とサポートの質を改善したという。

» 2008年09月03日 20時35分 公開
[ITmedia]

 東京海上日動フィナンシャル生命保険は、変額年金保険や変額保険に特化した事業を展開している。2007年4月、同社は顧客からの電話を一括で受けるコールセンターシステムを「Salesforce Service & Support」により刷新した。これにより業務効率と顧客への対応の質を向上できたという。

東京海上日動フィナンシャル生命保険の稲垣聡氏 稲垣聡氏

 刷新前のシステムでは、CRMパッケージに問い合わせ内容の詳細を入力していたが、入力方法に決まったフォーマットが存在しなかったという。東京海上日動フィナンシャル生命保険 執行役員の稲垣聡オペレーション部長は「メモ書きのような形で情報をテキスト入力していたため、情報が整備されていなかった。必要な情報の抽出が困難だった」と当時の課題を話す。また、入力作業を複数回行う必要があったことも業務効率を下げていたという。営業活動で利用するための情報はCRMに入力し、契約の解約や変更といった保全を担当する部署が利用する情報は「Microsoft Office Access」に入力。さらに、保全に関する情報とクレームに当たる情報は紙の書類を作成し関係各署に回すといった、重複して情報の入力が必要だったのだ。このような業務環境を改善するため、2006年5月よりシステムの見直しを開始した。

 Salesforce Service & Supportを導入した理由を稲垣氏は「何よりも、カスタマイズの自由度が高かったため」と話す。「独自の使い方にどこまで対応できるかが決め手。すべて自社で開発すれば、思い通りのシステムができるが、それには専任のシステムエンジニアによるメンテナンスなどが必要になる。人数の多い会社ではないのでそれは不可能だ。そのため、自社開発に相当するくらいカスタマイズの自由が高く、かつパッケージであるために運用効率も良いSalesforce Service & Supportを導入した」(稲垣氏)

 約4カ月の開発期間で、顧客情報とSalesforce Service & Supportの連携や、顧客情報を表示する画面の見え方、表示する情報などをカスタマイズする作業を行った。CRMに蓄積していた顧客データは、Salesforce Service & Supportと並行期間を経て、安定稼働を確認後にすべて移行した。

 新システムでは、入電があるとその顧客の情報や過去の問い合わせ履歴などがオペレーターのPC画面にポップアップする。Salesforce Service & SupportとCTI(Computer Telephony Integration)を連動させた仕組みだ。新しい情報はSalesforce Service & Supportに入力することで一カ所に蓄積され、情報が必要な場合にはリポート出力して利用できる。システム刷新前のように、データ登録の二度手間がなくなり業務効率が改善された。「受電後の処理時間が3分の1に短縮された」と稲垣氏はシステム刷新の効果を話す。

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