自分のリプレイ動画を配信『三国志大戦 演武場』――セガの動画サービスを支えるブレードサーバ会員増加に対応できる拡張性

アーケードゲームのリーディングカンパニーであるセガは、動画配信サービスの開始に当たり「負荷の増加が読めない」「拡張性の高いシステム構築を図りたい」「マシン設置のスペースを節約したい」などの課題を抱えていた。これらを解決したのが、CTCの提案したHP BladeSystem c-Classだという。

» 2008年09月17日 10時00分 公開
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動画配信サービスとの相性が良い三国志大戦

 ゲーム機器やソフトの製造と販売、アミューズメント施設の運営や企画などを手がける大手ゲームメーカー、セガ。同社が開発したアーケードゲーム「三国志大戦」シリーズは2005年の稼働以来、多くのユーザーに支持され今もなお高い人気を誇っている。「三国志をモチーフにしたゲームです。ネットワーク対戦とトレーディングカード収集という魅力を合わせ持っています」と、セガ 第一AM研究開発部 渡邉正勝氏は話す。

セガ AM研究開発本部 第一AM研究開発部 プロデュースセクション 渡邉正勝氏 セガ AM研究開発本部 第一AM研究開発部 プロデュースセクション 渡邉正勝氏

 アーケード筐体のフラットリーダーの上で手持ちのカードを自在に動かす“カードさばき”や“カードの組み合わせ”で勝負が決まるという三国志大戦のゲーム性から、筐体に設置されているライブモニターで流されるトッププレイヤーの対戦動画は、多くのプレイヤーが目にしている。「他人の戦いだけではなく、自分の対戦も振り返りたいというプレイヤーの声が上がってきました。これが動画配信サービス『三国志大戦 演武場』を構想するきっかけになりました」と、渡邉氏は振り返る。

 「三国志大戦」では従来から、ゲームと携帯電話を連動させた「三国志大戦.NET」というサービスを提供しており、会員はこれを通じて、対戦履歴を確認したり、仲間とチームを組んでゲームを通じてコミュニケーションしたりできる。渡邉氏は、多くのプレイヤーが利用しているこのモバイルサービスと動画配信サービスを連動させることを考えた。対戦終了後、プレイヤーは筐体から動画作成の予約をする。予約した動画を正式に動画にしたい場合は『三国志大戦 演武場』のサイトから発注を行うが、利便性を高めるために携帯電話経由でも発注ができるようにした。さらに、チームメンバー同士の動画も共有できるようにし、さらなるコミュニケーションの活発化を目指した。もちろん、これらのサービスはPCからも利用することができる。携帯電話では利便性、携帯より解像度の高いモニターを利用するPCでは、じっくりとサービスを受けることを前提とし、機能性を重視している。

 システムの青写真は描けても、実際に環境を構築するには、人的リソースの確保はもちろんのこと、サーバ機器を設置するスペースの確保も必要である。加えて会員の伸びと、それに伴うトラフィックの増加や機器の増設数も正確に読むことは難しい。システムを構築する際に外部のノウハウを利用できないかと考えた渡邉氏は、2008年1月に複数のシステムインテグレーターに相談を持ちかけ、結果的にCTCの提案を採用した。

 「CTCからの提案内容は、拡張性、メンテナンス性、そしてコストのいずれもが、こちらが想定していたシステムより優れたものでした。そこにCTCのソリューション能力の高さを感じました」と、採用の理由を渡邉氏は話す。

省スペースとスケールアウト性を評価しブレードサーバを採用

機器構成の概略図 機器構成の概略図

 システムの中核となるサーバとして採用されたのがHP BladeSystem c-Class(以下、c-Class)だ。拡張性を確保するにも、限られたコストとスペースを有効に活用するにも、スモールスタートが可能なc-Classが適していたという。統合監視ツール「HP Systems Insight Manager」や「オンボードアドミニストレータ」、そしてブレードエンクロージャ前面に配置されサーバのステータスを液晶表示してくれる「インサイト ディスプレイ」など、メンテナンス性にも優れている。渡邉氏は、世界でも日本でも出荷台数No.1(*)を誇るHP BladeSystemの実績や、日本国内で、CTCがとりわけ多くの構築/運用を手がけていることも評価したという。

 c-Classは、プレイの模様を動画に変換するエンコード作業を担っている。各ブレード間で効率的に負荷分散するためのエンコード管理サーバとしては、HP ProLiant DL360を配置している。作成された動画はストレージに蓄積され、発注者(プレイヤー)の要求に応じて順次配信される。「三国志大戦 演武場」のWebサーバとしてもc-Classが採用されているという。

 サーバ自体は、外部データセンターにハウジングしている。もちろん、サービスによりラックマウントサーバを利用することもある。だが集積率の低いラックマウントサーバの場合、スケールアウト時にハウジングコストが増加してしまう。また複数のラックがデータセンター内に分散して配置されてしまうと、メンテナンス性も悪くなる。こういった課題をc-Classの導入により解消できたという。

 「会員数の増加に比例してサーバの増強が必要となります。あわせて、サーバを設置する場所の確保も必要です。しかし集積率の高いブレードサーバであれば、システム増強に伴う場所の確保に関して心配することもなく、構築に関するスケジュールも容易に立てられ、費用も抑えることができます。実際、c-Class導入により、データセンターのランニングコストなどが、大幅に抑えることができています」と渡邉氏はc-Classの導入効果を話す。

 *注 2008年第2四半期世界/国内ブレードサーバー出荷台数(出典: IDC Worldwide Quarterly Server Tracker Q2 2008)

ノートラブルで稼働する信頼性を評価

 「画質にもこだわっています」と渡邉氏は語る。高精細な画像を提供しようとするとファイル容量が巨大になるし、エンコードに時間もかかる。かといって劣化した画像では、サービスとして成り立たない。開発スタートから約半年間、システム構築とエンコードシステムのシミュレーションを行い、2008年7月22日に「三国志演武場」をオープンした。「三国志大戦.NET」 との連動については、NTTドコモ、ソフトバンク、auについて既に対応済み。想定以上の会員の方々に利用してもらい、ダウンロード数も好調に伸びているという。

「三国志大戦」のプレイ画面 「三国志大戦」のプレイ画面

 「システムはノートラブルで稼働しています。メンテナンスの手間もかからず、期待以上の可用性を示してくれています。こちらも安心して、新たな機能やサービスを開発することができています」と渡邉氏はCTCの構築したITインフラの 信頼性と運用性を認めている。

 セガは2008年9月18日に最新バージョン「三国志大戦3〜蒼天の龍脈〜」をリリース。バージョンアップに伴い、多くのユーザーがプレイすることが期待される。それにあわせて「三国志大戦 演武場」への入会も増えるだろう。「多くのプレイヤーのためにも、システムの改善を図るのはもちろんのこと、三国志大戦がますます楽しくなるサービスを提供していきたいです」と、渡邉氏は構想する。拡大するサービスを支えるインフラをCTCが強力に支援している。

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提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年9月30日