IBMが「Social Software Center」を発表企業向けFacebookを目指す(1/2 ページ)

企業向け市場のFacebookやMySpaceを目指すIBMが「IBM Social Software Center」を発表した。顧客やパートナーなどが、新しいコラボレーション製品の開発でIBMの技術者と共同作業する。

» 2008年09月19日 11時04分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

IBMでは、社内の研究所で進めてきたソーシャルソフトウェア開発の取り組みを、よりオープンなIBM Center for Social Softwareで展開する考えだ。これはIBMの顧客とパートナー、ならびに大学の教員や学生が共同でソーシャルソフトウェアを開発することができるインキュベーターラボである。ここで開発されるソフトウェアは、顧客、パートナー、従業員の間での全社的なコラボレーションを実現するのを支援する。

 IBM LotusソフトウェアとWebSphere Portalを担当するジェネラルマネジャー、ボブ・ピッチアーノ氏は、9月17日にニューヨークで開催された「Interop」カンファレンスのキーノートスピーチで、IBM Center for Social Softwareを発表した。同センターはマサチューセッツ州ケンブリッジに置かれる。

 わたしは先週、IBM Center for Social Softwareのディレクターを務めるIBMフェローのアイリーン・グリーフ氏、そしてIBMでソーシャルソフトウェアを担当するジェフ・シック副社長に同センターの詳細を話してもらった。

 グリーフ氏によると、IBMは社内外でソーシャルソフトウェアの実験を行ってきたが、このセンターは同社の取り組みを正式化するもので、これにより全世界でトップクラスのソーシャルコンピューティング研究者を呼び寄せ、IBMとその顧客およびパートナーとコラボレートしてもらうという。

 「彼らがここにいる間に、共同で何かを作り出すつもりだ」とグリーフ氏は語った。

 この共同作業は、IBMのWeb 2.0コラボレーションポートフォリオの形成に役立つという。このポートフォリオには、ソーシャルディスカバリー、ソーシャルサーチ、そしてソーシャルソフトウェアのための新しいクラウドコンピューティング技術などが含まれる。この種のコラボレーションは、斬新で優れたソーシャルソフトウェアを生み出すと期待されており、IBMでは「次のキラーWeb 2.0アプリケーション」の開発も目指しているという。

 「当社の市場進出ルートを変えるようなプロジェクトにいっそう注力するつもりだ。これはLotus部門との連携強化につながるだけでなく、われわれがソーシャルソフトウェアの最先端であり続けるために社内リソースの利用環境を改善することにもなる」とグリーフ氏は説明する。

 シック氏によると、IBMが世界120カ国に製品を提供し、それらをできるだけ多くの言語に対応させるという力作業も同センターが引き受けるという。

 IBMがこのようなセンターを必要とするのには、現実的な理由がある。「Lotus Connections」というソーシャルソフトウェアスイートを同社は販売しているのだ。この製品には、Dogearなどのブックマーキングツールや、従業員プロフィール、コミュニティー、ブログ、アクティビティなどの機能が含まれている。

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