日本HP、BladeSystemに仮想化専用サーバブレードをラインアップユーザーのIT統合を促進

日本HPは仮想化専用サーバブレードをHP BladeSystem製品群に追加。また仮想化ソフトウェア組み込み型ブレード「iVirtualization」はESXi加えXenにも対応した。

» 2008年09月25日 21時58分 公開
[石森将文,ITmedia]

「仮想化専用」をうたうサーバブレード。その特徴は……?

 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は9月25日、同社の第3世代ブレードサーバ「HP BladeSystem」において、仮想化環境での利用に適したサーバブレード「HP ProLiant BL495c Generation 5(以下、BL495c G5)」とストレージブレード「HP ProLiant SB460c SAN Storage Server(以下、「SB460c」を発表した。

日本HP 木村剛氏 日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 木村剛氏

 BL495c G5は、高さ10Uのc7000エンクロージャに16台搭載可能(0.6U)なサーバブレード。ラインアップ上最多となる16個のメモリスロットを備え、最大128Gバイトのメモリを実装可能。ユーザーは、最大までメモリを搭載しなくとも、Gバイト単価の安い手頃なメモリモジュールを数多く挿すことで、導入コストの適正化を図れる。プロセッサはAMDのクアッドコアOpteronを採用した。

 また、高速イーサネット規格「10GBASE-KR」を採用した10Gビット通信対応のネットワークアダプタを2基、標準装備する。このネットワークアダプタは、従来のHP BladeSystem c-Classに搭載されていた1000Base規格対応のアダプタと1000Mbpsでオートネゴシエーションできるだけでなく、10GBASE-KR規格対応のインターコネクト(将来提供予定)と併用することで、広帯域ネットワーク環境にも対応するという。

 加えて今回、OS用のドライブとして、高速なリード性能、省電力、低故障率を実現するSSD(半導体ドライブ)を搭載する。襲来のSASハードディスクドライブと比較して、約25%の低故障率、約90%の低レイテンシ、約80%の省電力を実現したという。日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 木村剛氏は「グリーンIT時代に最適なドライブを選択した」と話す。

 これらの特徴は、1台の物理サーバを仮想化し、複数OSを稼働させるいわゆる「仮想化環境」に必要な要件として盛り込まれたという。「仮想化専用、と言い切れるサーバブレード。IT統合に最適なソリューションをユーザーに提供できる」と木村氏は話す。

BL495c G5の内部構造 BL495c G5の内部構造(画像クリックで拡大)

 同時に発表されたSB460cは、外付けのストレージ(ファイバチャネルおよびiSCSI接続)をストレージブレードとして認識し、利用できるNAS/SANゲートウェイ。一定のデータ容量の制約があった既存のブレードエンクロージャ内蔵型ストレージブレードの課題を解決する製品となる。Windows Unified Data Storage Server 2003,Enterprise x64 Editionがプリインストールされており、ブレードエンクロージャのスロットに装着し、外付けストレージを接続するだけで、ブレード環境でSAN(iSCSI接続)を構築できる。

 また同じくiSCSI接続対応のストレージブレードである「HP StorageWorks All-in-One SB600c」のプロセッサを、インテルXeon E5345からインテルXeon E5410にアップグレードする。同製品では、従来のSASディスクに加えて、より安価で大容量のSATAディスクを選択できるようになる。各製品の価格および出荷時期は次の通り。

製品名 税込価格 出荷時期
HP ProLiant BL495c Generation 5 32万9700円〜 10月下旬
HP ProLiant SB460c SAN Storage Server 126万円〜 10月下旬
HP StorageWorks All-in-One SB600c 88万2000円〜 10月下旬

iVirtualizationのラインアップを拡充

 当日は、仮想化テクノロジXenをベースとしたCitrix XenServerをOEMライセンス販売することも発表された。Citrix XenServerを組み込んだUSBメモリをサーバブレードに実装し、「HP ProLiant iVirtualization by Citrix XenServer」として提供する。

 日本HPがOEM販売するCitrix XenServerには、導入や管理を容易にする独自のテクノロジが実装される。導入時にはウィザード形式のインストラクションを利用可能。また、複数の仮想OSをマルチコンソールで管理する機能を提供する。

 同時に、仮想化環境の管理ツール「HP ProLiant Essentials Virtual Machine Management Pack」がCitrix XenServerによる仮想化環境に対応する。これにより、同社のシステム管理ソフトウェア「HP Systems Insight Manager」からも、 Citrix XenServerを管理できるようになる。価格と出荷時期は次の通り。

製品名 税込価格 出荷時期
Citrix XenServer Select Edition(基本機能のみを提供) 2万3100円 10月下旬
Citrix XenServer Enterprise Edition(付加価値機能を含む) 58万8000円 11月初旬

 またc-Class関連オプションの発売が明らかにされた。概要は次の通り。

製品名 税込価格 出荷時期 概要
HP BladeSystem c3000タワーエンクロージャ パネルキット 4万4100円 10月中旬 オフィスでのブレード利用に適したタワーエンクロージャ用のドアキット。防塵フィルタを装備し、格子状のリアドアによるケーブルマネジメントも可能。
DC-48Vパワーサプライ(1200W) 9万4500円 10月下旬 DC-48Vの電源供給環境で使用可能な「HP BladeSystem c3000エンクロージャ/タワーエンクロージャ」対応の直流電源オプション(電源モジュール)。

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