FacebookやTwitterの社内利用に肯定的な立場を貫くGartner(2/2 ページ)

» 2008年09月30日 07時00分 公開
[Clint Boulton,ITmedia]
eWEEK
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FacebookとLotus Connectionsは共存可能

 結局、ソーシャルソフトウェアをどう利用するかについては、従業員が責任を負う必要がある。「あなたがカクテルパーティーで未発表の製品のことを話さないのであれば、Wikipedia上でもそれについて語ってはならない。それだけで大半の問題が解決する」とマン氏は指摘する。

 Facebookを企業に適合させるのに役立つのが「Faceforce」というツールだ。これはSalesforce.comのAppExchange用のコネクタで、Facebookのプロフィール情報をSalesforceのアカウント/引き合い/コンタクト記録にリアルタイムで取り込む。これにより、会員になっている顧客、見込客、仕事関係者の写真や個人情報を参照することができる。

 マン氏によると、Avenue A/Razorfishでは、世界19カ所にある営業所の従業員のプロジェクトと知識を結び付けるツールが必要になったため、アイデアとコンテンツを共有するためのセントラルリポジトリとして、Wikiとブログを組み合わせたハイブリッド型プラットフォームを作成した。このプラットフォームでは、電子メールスレッド、ブログ、各種提出文書を参照することができ、従業員が検索できるデータベースの一部になっているという。

 以前にも書いたと思うが、わたしはしっかりとした責任の下でソーシャルソフトウェアを業務で利用することには大賛成である。反対する理由がないからだ。Twitterは非常に貴重なツールであり、わたしと同僚はニュース記事やブログ記事を人々に宣伝するのに利用している。この部分では、TwitterはFacebookよりもはるかに役立ち、時間もかからない。

 わたしにとって以前から気掛かりなことが1つある。Facebook、Twitter、Wikipedia、 Delicious、Diggには何百万人ものユーザーがいる。これに対して、Lotus Connectionsに加え、Jive SoftwareやAwarenessの製品など、ほとんどの企業向けソーシャルアプリケーションは、こういったコンシューマー向けアプリの規模を達成するのは難しい。

 この点を念頭に置いて、わたしはマン氏に「こういったコンシューマー向けアプリが企業向けに設計されたアプリを脇に追いやり、時代遅れにしてしまうのではないだろうか」と質問した。しかしIBM、Jive、Awarenessは、その心配をする必要はなさそうだ。マン氏によると、両方のタイプのアプリに居場所があるという。

 例えば、銀行や法律事務所など非常にセンシティブな情報や機密情報を扱う企業では、エンタープライズレベルのセキュリティが保証されたソーシャルアプリを選ぶだろう。マン氏は次のように述べている。

 「もしあなたが合併・買収チームのスタッフだったら、どんな企業を買収したいのかという情報にDel.icio.us上でタグを付けようとは思わないだろう。技術そのものに固有のリスクが存在するわけではない。ソーシャルソフトウェアでも、アーカイビング、監査証跡、拡張性といったエンタープライズ向けソフトウェアの品質の有無が重要なポイントになる」

 もちろん、非常に堅固なエンタープライズアプリであっても、愚かな従業員が企業秘密を漏えいするのを防ぐことはできない。しかし世の中は予測不能なことばかりであり、あらゆるソーシャルアプリを排除することは、大きな恩恵の可能性まで拒絶することだと言えなくもない。

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