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» 2008年10月01日 06時00分 UPDATE

エンタープライズスマートフォン:スマートフォンを“歓迎”するための心構え (1/2)

多機能かつ通信機能を内蔵するスマートフォン。個人で利用するには魅力的だが、そもそも会社で使えるのか? 導入するために特別な対応が必要なのだろうか?

[國谷武史,ITmedia]

本記事は、オンライン・ムックPlus「スマートフォンの企業導入大作戦」のコンテンツです。関連記事はこちらでご覧になれます。


 Windows MobileやiPhone、BlackBerry、Symbian、Android――2008年はこれらの携帯電話向けに作られた汎用的なOSを搭載し、多彩なアプリケーションと通信や通話機能を内蔵するモバイル端末「スマートフォン」が、企業から個人までの幅広いユーザー層に注目されている。「インターネット閲覧やマルチメディア再生機能などさまざまな使い勝手があり、個人的には面白そうな端末だ」と気にしているユーザーも多いだろう。

 スマートフォンの持つ機能のうち、通信会社やベンダーがビジネス向けとして紹介しているものが、ビジネスドキュメントの利用や業務アプリケーション、サーバとの連携だ。スマートフォンを利用すればPCに近い業務環境を構築でき、さらには携帯性に優れていることから、場所を選ばずに仕事ができるという。確かにこれらの機能は魅力あるものだが、一般的な携帯電話でもこれらの機能を備え、ビジネスに生かすことができる端末もある。それでは、なぜ、スマートフォンが会社で使うことのできるIT機器として検討するに値するものといわれるのだろうか。

ケータイとPCの隙間を埋める

smph0101.jpg 伊藤氏

 マイクロソフトで法人向けスマートフォンサービスを担当するモバイルコミュニケーション本部の伊藤哲志シニアプロダクトマネジャーは、「“少しでも早く自宅に帰りたい”というビジネスマンのためのソリューションとして捉えていただきたい」と、スマートフォン導入のポイントを紹介している。

 「スマートフォンでいつでも仕事ができるというのは、言い換えれば“いつも仕事”をしなければいけない”という声が聞かれます。しかし、業務時間中に発生する電車での移動時間などの“ムダ”な時間を有効活用するためのものと考えれば、仕事を速やかに終えて自宅で家族と過ごすための時間を1分でも多く作ることができるでしょう」(同氏)

 同氏によると、スマートフォンは「携帯電話でできる以上の機能がほしいが、PCほどの機能は必要ない」というニーズに応えるもので、携帯電話とPCの隙間を埋める“ニッチ”な存在であるという。「クライアント/サーバ型でもSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型でも埋めることのできない業務環境を補完するもの」(同氏)

ライバル会社が導入した!

 国内でスマートフォンが初めて登場したのは、2005年秋にウィルコムが発売した「W-ZERO3」シリーズに遡る。現在までスマートフォンに分類される端末が20機種以上登場した。当初の利用者は、「アーリーアダプター」と呼ばれる新製品への関心が強い個人と、保守やメンテナンス業務などにPDAなどの専用機器を利用していた企業が主体だった。

 一方、海外ではホワイトカラー層が電子メールやスケジュール管理に利用してきた経緯から、近年は国内でもホワイトカラー層に関心が広まった。伊藤氏によると、スマートフォン導入企業の半数以上はPDA機器のサポート期間終了などに伴ってスマートフォンへ移行したケースが占めるが、最近では「ライバル企業が導入しているから、うちでも新たに検討しよう」という経営層の声が増えている。

 マイクロソフトが実施したスマートフォンユーザーのアンケート調査では、ユーザーの職業の多くが企業の情報システム担当者であることが分かったという。スマートフォンの企業導入では、経営層によるトップダウンと情報システム部門からのボトムアップの両方で進められるような事例が増加しつつあるという。

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