正確なテストでシステム障害回避を促す――日本オラクルが新ツール

日本オラクルはエンピレックスから買収した品質管理ソフトウェアを自社製品として本格提供すると発表した。

» 2008年10月14日 17時09分 公開
[ITmedia]

 日本オラクルは10月14日、エンピレックスから買収した品質管理ソフトウェアを自社製品として本格提供すると発表した。同社はアプリケーションの品質管理ソフトを既に3種類提供しており、近日中にもう1つ発売する予定。多くの業種でシステム障害が問題になる中で、導入プロジェクトにおけるテスト作業の正確性と効率性の向上を促す。

来日した米Oracleのレン・レン・タン氏

 日本オラクルが現在提供しているのは、機能テストの自動化などを可能にする旧エンピレックス製の「Application Testing Suite」、本番環境のデータベースのワークロードをテスト環境で再現できる「Real Application Testing」、テストデータを暗号化し機密情報を守る「Data Masking」の3種類。

 Application Testing Suiteは、アプリケーションやミドルウェア、データベースを統合管理するソフト「Oracle Enterprise Manager」に組み込んで利用するもの。オンライン税務サービスを提供する米H&Rは、税の申告提出期限前の利用ピークに備えるために利用し、アプリケーションの障害を回避している。

 Real Application Testingを導入したのは米国でホテルを運営するStarwood。宿泊費を顧客に提示するアプリケーションの基盤であるOracle Databaseを10.2.0.4から11.1にアップグレードした。重要なデータであるため、安定的な作業が求められたという。SQLパフォーマンスアナライザーにより、プログラム変更の影響範囲を特定したことで、アップグレード作業が成功した。

 バークレイズ銀行は、Data Masking Packを採用した。CRMシステムとQA作業をSiebelベースの外部委託しており、CRMの機密情報を守る必要があるからだ。

 日本オラクルは今後、システムの利用者が体感するトランザクションを監視できるツール「Real-user Experience Insight」を発売する予定。将来的にはEnterprise Managerに統合する。

 来日した米Oracleのアプリケーション/システム開発担当の副社長、レン・レン・タン氏は「70%のアプリケーションがテストされずに本番環境に組み入れられている」とシステム導入プロジェクトの実情を話す。テストの効率的な実施の重要性を強調した。

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