世界がブログで1つになる日――Blog Action Day 2008オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2008年10月24日 16時15分 公開
[森川拓男,ITmedia]

Blog Action Day 2008

 読者は「Blog Action Day」をご存じだろうか。これは世界中のブロガーたちが、年に一度、同じ日に同じ話題について取り上げることに挑戦するという、非営利のイベントだ。10月15日、「貧困」をテーマにして多くのブロガーが参加し、オルタナブロガーにも参加した人たちがいた。

ブロガー ブログ名 エントリー名
佐川明美氏 佐川明美の「シアトルより愛を込めて 父の思い出
佐々木康彦氏 平凡でもフルーツでもなく、、、 Blog Action Dayに参加してみる
小林啓倫氏 シロクマ日報 【Blog Action Day】見ざる・言わざる・聞かざるシティ
大木豊成氏 走れ!プロジェクトマネージャー! Blog Action Day 2008に参加します
大木豊成氏 走れ!プロジェクトマネージャー! VOLVICを買って、自分も参加する

 世界中のブロガーが、同じ日に、同じテーマでブログを書く……これによって、大きな輪が広がり、考えていくキッカケになるのならば、素晴らしい試みだと思う。

 得てしてこういう企画の場合、深く考えてしまいがちだが、気軽に参加できるブログなればこそ、肩肘張らずに素直な気持ちを綴ることも重要なのかもしれない。

クラウド乱造狂騒曲

 前回も取り上げた、「クラウド」というキーワード。これについて、関孝則氏「クラウド的な世界へ」は、基幹系でもクラウドの兆し?という。関氏がいうように、基幹系もクラウド化されていくのだろうか。

 続いて関氏は、SaaSにはじまりXaaSにいたるまでの乱造で、「SaaS」にあやかって登場した「〜aaS」について紹介し、その数の多いことにうんざりしている。言葉の乱造に終わってしまうのか、それとも定着していくものとなるのか、今後に注目だ。

 一方、関氏のクラウドの定義のかんたんな整理を受けて、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」の私はこちらのクラウドを考えていますでは、氏がクラウドを定義として「クラウドのサービス」について考えていることを表明した。その上で、メモ:クラウドコンピューティングはIT市場を崩壊させるのか!?で、クラウドコンピューティングとITベンダーについての論考記事を紹介していて興味深い。また、前回に引き続いて、マイクロソフトの取り組みも紹介している(クラウドコンピューティングへの取り組み(5) マイクロソフト)。

 また、クラウドに関しては、栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」の【お知らせ】クラウドについて書いたり話したりしてますにおいて、著作や講演の予定があることが告知されている。

音楽配信とデジタル利権の行方

 過去記事の資産を生かして再利用する――そんな試みがアメリカで始まっていることが、小林啓倫氏「シロクマ日報」のNewsweek、過去記事を Amazon の Kindle で販売で紹介された。これは、Newsweekの過去記事を特定テーマから編集した電子ブックを、Amazonの電子ブック端末Kindle向けに販売するというものだ。

 ITmedia海外速報部・広瀬麻子氏「海外速報部ログ」のEMIが音楽ストアに参入?では、EMIが独自の音楽直販サイトを立ち上げる計画があるというニュースを紹介している。このことは大塚純氏「technologically ill」のEMIが新しいWebサービスを開始?でも取り上げられた。しかし、両氏が指摘するようにEMIのコンテンツしか扱わないのであれば、よほど魅力的なコンテンツがない限り広がりはないだろうと、筆者も感じた。

 大塚氏歌詞DBビジネスのデファクトスタンダードはどこが勝ち取る?では、楽曲の歌詞を蓄積し検索できる、歌詞DBビジネスについて考察されている。これは筆者も注目している話題だ。歌詞が検索できることは、カラオケ好きな日本人にとって非常に重要ではないかと思うからだ。

 末岡洋子氏「欧州の視点」のデジタル音楽に強気のUniversal Musicでは、合法ダウンロードにより売り上げを上げていけるというUniversal MusicのCEOの見解を紹介。その一方、Radioheadら、デジタル権利を求めて立ち上がるで、アーティストの立場から権利保護を求める動きも出ていると紹介された。これからの音楽配信ビジネスがどう進んでいくのかを考えると、これらの動きから目を離すことはできない。

 デジタル利権とでもいうべき動きは、何も音楽だけではない。伊藤靖氏「おるたなてぃぶ思考+etc」のYouTubeのテレビドラマ全編配信って普及するんだろうかでは、米YouTubeでのテレビドラマ配信の話題を取り上げた。ただ単に二次使用としてのネット配信なのか、プラスαがあるのか。ただし、YouTubeである必要があるのかという疑問は、伊藤氏同様に感じるが……。

ネットリテラシーとセキュリティ

 一時期、さまざまな議論を巻き起こした「Googleストリートビュー」。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の「Googleストリートビュー」町田市議会の意見書で国は動くかな〜?動かねえだろうな〜〜?では、町田市議会が法規制を求める動きを始めたことが紹介された(関連記事)。佐々木氏が杞憂するように、これで国がどこまで動くのかが注目点だろう。

 Googleストリートビューで投げかけられた問題とは、ネット社会における意識、ネットリテラシーの違いから起きたものと言えるのかもしれない。

 新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」の安心なインターネットは、ネットリテラシーの啓発から・・・では、青少年が安心してインターネットを使えるようになる取り組みが民間主導で始まったことに歓迎の意を表している。筆者も新倉氏が指摘するように、青少年に限らず大人に対しても有効だと思う。千差万別の情報をどう判断するか。情報の波に溺れないようにすることが大切なことなのだ。

 情報セキュリティの話題では、谷川耕一氏「むささびの視線」ので、セキュリティ対策にいくらかけるのかという興味深いエントリーがあった。企業として、セキュリティに対してどういう工夫をするのか。導入後は運用と監査が重要で、その辺りの予算も考慮しないと大変なことになりそうだ。

 個人情報を所持する企業の場合、そのデータの管理が重要になる。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の内部統制 情報を匿名化することでは、対応策について考察されている。ルール作りをしっかりすることが大切なようである。

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