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» 2008年10月31日 19時30分 UPDATE

Salesforce Customer Portal:顧客との「専用窓口」サービスを1カ月で構築――ネクスウェイ

「もっと顧客に近づく」というテーマはあらゆる企業にとって、常に大命題となっている。これを実現するためのツールが開発された。はたしてその内容はどのようなものなのか。

[ITmedia]

専用窓口をWeb上に無料で

 ネクスウェイはWeb、メール、FAX等のITを駆使したサービスを約8000社もの企業に提供している。主なサービスはFAX、メールによる一斉同報のためのASPサービス、リスティング広告、LPO(ランディングページ最適化)で、全サービスの利用契約数は約25000契約(2008年4月1日現在)となっている。

 同社は2007年1月にマーケティング活動の中核システムとして「Salesforce」を導入しており、2008年6月、新たに「Salesforce Customer Portal」を活用し、同社のSEM(検索エンジンマーケティング)サービスの顧客向けポータル「Myマーケティング」を立ち上げた。サービス開始までの準備期間は1カ月ほどだったという。Myマーケティングは顧客企業がそれぞれ自社専用のIDとパスワードによってアクセスし、リスティング広告やその他広告の各種レポートのダウンロードや保存、キーワード変更や予算変更の依頼、各種問い合わせが行える。いわば、専用の窓口がWeb上に無料で設けられ、さまざまな連絡やデータのやりとりを行うことができる。

 これまでは顧客サイドはネクスウェイの担当者とメールのやりとりでコミュニケーションを行ってきた経緯があるが、どうしても対応に時間がかかっていたという問題があった。また、ネクスウェイ側も、顧客の要望に応じて、各種の資料などをメールで送るなどの作業が発生していた。リスティング広告に関するレポートなどは作成にも時間的なコストがかかっており、これらを各顧客にメールで送る際セキュリティ面でも懸念されていた。

 今回Salesforce Customer Portalを利用したMyマーケティングを構築することで、グーグルやオーバーチュアなどのAPIと連動してリスティングに関するレポートを自動生成し、Myマーケティング上にアップさせることで、安全に自社の状況を確認することができるようになった。

顧客に近づき、営業効率化を図る

 Myマーケティングは無料で顧客に提供される。利用には月に数千円かかるが、現在のところ全額ネクスウェイが負担している。同社は200社弱のリスティング広告関連の顧客全社にMyマーケティングの導入を完了しているという。ネクスウェイのマーケティングソリューション推進部、グループマネジャーの小池智和氏は次のように語る。

 「当社としては、すべてのお客様にご利用いただくことが大前提になります。そうすることで、業務が一本化され、Myマーケティングの利用価値が上がっていくからです。お客様は当社の説明に耳を傾け、導入に同意いただいています」

koike.jpg 「Myマーケティングはこれからどんどん進化していけるサービスとしてとらえている」と語る小池智和グループマネジャー

 多くの業務に言えることだが、顧客にとって業務情報の整理は厄介な作業だ。メールのやりとりでコミュニケーションしていると、資料や重要な連絡事項などいざ確認したいときに、なかなか情報にたどり着けないことが多い。専用の窓が用意されていれば、ネクスウェイと関連する業務情報は特別な作業なしに整理され、いつでも確認することができる。

 もちろんネクスウェイ側にとっても、メリットが多い。同社はSalesforceを導入しているが、Myマーケティングと連動させることができる。Salesforceで入力された情報をMyマーケティングで閲覧することもできる。顧客との連絡もMyマーケティングに書き込んでコミュニケーションすることができる。

 「営業が独自に持っている特定顧客の情報の中で、そのお客様にご確認いただいてもいい情報というものがたくさんあります。もちろん、他社の情報は閲覧できないようになっていますが、これまでの契約状況など当該のお客様自身が知っていていただいた方が良いわけです。リスティング広告に関するレポートなども、そのお客様がいつでもダウンロードできるようにした方が良い。Myマーケティングは大手企業も活用しているSalesforceの高いセキュリティレベルが保証されているので、運用は安全に実行できます」と小池氏は話す。

 また営業活動をより効率化させ、顧客に近づく施策が実行できる。「Myマーケティングで入力される営業担当者とお客様とのやり取りは、いわゆる営業日報的な報告事項よりも具体的で分かりやすく、営業の進捗を確認するのに適しています。次のご注文についての予測の確度が高くなります。マネジメントする側にとっても、的確な指示が出しやすいのです」と小池氏は語る。

nexwayzu.jpg Myマーケティング システム概要図

作業効率の向上も実現

 ネクスウェイはSalesforce Customer Portalの国内ユーザー第1号である。この点について不安はなかったのだろうか。ネクスウェイのシステム部システムグループの松田篤之氏は次のように語る。

 「現在のMyマーケティングのインタフェースや使い勝手に満足しているわけはありません。導入時にもセールスフォース・ドットコムの担当者の方と一緒に作る、という感覚でプログラム開発をして機能追加してきました。社内でも、同様のプラットフォームを自社開発する方がいいのではないか、という声もありましたが、新たに構築するコストとデータ連携、セキュリティ面での対応を考えると、Salesforce Customer Portalはそのすべて問題をクリアできるため、採用を判断しました。セールスフォース・ドットコムはユーザーの声をかなり拾ってくれ、迅速にバージョンアップしてくれるので、Myマーケティングのユーザー様の声にも耳を傾けていき、より良いシステムを作っていければと考えています」

matsuda.jpg 「セールスフォース・ドットコムはユーザーの声をていねいに応えてくれる」と語るシステム部松田篤之氏

 また小池氏は「ファーストユーザーとしてのメリットは、今後、こうした仕組みを導入する競合企業に対するアドバンテージがあると思います。6月に先行して導入した段階で、リスティングのレポート作成作業が自動化されたおかげで、8人の社員の1日1時間程度の作業がゼロになりました。こうしたことの積み重ねを先行して行えることは大きいですね」と語る。

 今後の展開としては、Myマーケティング上で有料のマーケティング資料のダウンロードサービスやWebセミナーなどを展開することも考えているという。

 「専門家としての当社のナレッジをどんどんお客様にMyマーケティングを通じて気軽に活用していただきたいと考えています。Myマーケティングを展開するようになって、いままでもお客様の近づくことは気をつけていましたが、まだまだ壁があったのだなと感じています。もっとそうした壁を低くして、コンテンツによって無料、有料と分けながら、マーケティングツールのプラットフォームとしてMyマーケティングを成長させることを目指します」と小池氏は語る。

 顧客との垣根をさらに低くする画期的なITツールとして、今後も注目していきたい。

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