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» 2008年11月04日 15時43分 UPDATE

Salesforce.com、エンタープライズSaaS戦略でGoogle Visualization APIを活用

Salesforce.comはGoogleのVisualization APIを利用して、プログラマーがエンタープライズアプリケーション用のビジネスインテリジェンスリポーティングツールや分析ツールを作成できるようにした。この動きは、GoogleとSalesforce.comの連携に向けた取り組みの一環になる。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 Salesforce.comは、開発者がGoogleのVisualization APIを使ってアプリケーションを作成できるようにするソフトウェアツールを開発した。Visualization APIでは、リポーティングツールやダッシュボードを作成でき、これらをWeb上に公開してビジネスインテリジェンス(BI)や分析に利用できる。

 SaaS(サービスとしてのソフトウェア)ベンダーであるSalesforce.comは、11月3日にサンフランシスコで開かれた同社主催の「Dreamforce」イベントにおいて、この連携技術を発表した。

 GoogleとSalesforce.comの間では、以前から連携に向けた動きが進んでおり、今回の取り組みもその一環になる。両社が推進しようとしているクラウドコンピューティングのエコシステムは、企業が自社のデータセンターでアプリケーションを運用するのではなく、ソフトウェアベンダーが顧客企業のアプリケーションをホスティングするというもの。これは、Microsoft、Oracle、SAPなどの企業が提供するオンプレミス(社内保有)型アプリケーションに対抗する方式だ。

 Salesforce.comの新ツールは「Force.com Apex」コードクラスと呼ばれ、同社のSaaSプラットフォーム上でGoogle Visualization APIを簡単に利用できるようにするが狙いある。例えば、Salesforce.comのパートナーは、顧客企業が自社のCRM(顧客関係管理)データの分析に役立つリポーティングツールやダッシュボードを備えたBIアプリケーションを開発できる。

 Dreamforceイベントに先立ってeWEEKの取材に応じたGoogleのシニアプロダクトマネジャー、ニール・バーレブ氏によると、こういったBIユーティリティの利用シナリオは多数存在するという。「例えば、個人財務管理サイトのStockaliciousでは、システムベンダーからダッシュボードを調達するのではなく、同APIを使ってダッシュボードを提供している」と同氏は話す。

 販売担当者やマーケティングスタッフは、こうしたBIツールを利用し、ビジネスプロセスに対する理解を深め、顧客への対応を改善できる。また、人材管理部門でBIツールを利用すれば、従業員の状態を正確に把握でき、財務アナリストであれば、同APIを使ってビジネス分析の結果を表現力豊かにレンダリングできるようになるという。

 今回のGoogleとSalesforce.comの連携は単発的なものではない。この動きは、GoogleがVisualization APIの提供範囲を従来よりも大幅に拡大し、すべてのサードパーティーのプログラマーに開放するという流れに沿ったものである。

 Googleが3月にVisualization APIを発表した時点では、クライアントサイドだけに利用が限定されていたため、開発者は自社の情報を表示するアプリケーションしか作成できなかった。プログラマーはダッシュボードやリポーティングアプリケーションを作成できたが、APIの制約により、Google DocsスイートのGoogleスプレッドシート以外のデータソースに接続できなかった。バーレブ氏は次のように述べている。

 「われわれはプロトコルを開放し、ユーザー企業のアプリケーションやデータソースに対して誰でも同じことをできるようにする方法を文書化するつもりだ。つまり、われわれが既に提供している、あるいは今後開発予定の視覚化ツールを利用して、ユーザーが社内やイントラネット上にあるSQLデータベースやExcelファイルをWeb上に公開できるということだ」

 Google Visualization APIがリリースされたときに、同APIを利用してGoogleスプレッドシート上でビジネス分析ツールを作成したPanoramaの場合、コードを一切変更することなく、このツールをSalesforce.comの顧客に提供できるようになった。

 アプリケーションを作成するためのAPIを他社のプログラマーに提供するというのは、Googleにとって新しい手法ではないが、同社では進化するSaaSエコシステムを育成するために、この作戦を精力的に推進する方針だ。

 Salesforce.comはこの面でGoogleと連携する主要なSaaSベンダー候補になったわけだが、APIがさらに開放されたおかげで、ほかの新興企業各社も自由に参加できるようになった。

 Salesforce.comは11月3日のDreamforceのキーノートの中で、この連携に簡単に触れ、Googleも11月4日にそれについて語る。バーレフ氏は11月5日のセッションを担当し、両社の連携について詳しく説明する予定だ。

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