GoogleとSalesforce.com、クラウドコンピューティングでOracleとMSを批判口論の行方(2/2 ページ)

» 2008年11月11日 09時10分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK
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クラウドパネルでのその他の発言

 クラウドパネルでは以下のような発言もあった。

 マリッツ氏は、「われわれはデバイス中心の世界から情報中心の世界に移行しつつある。情報中心の世界は、情報機器よりも長く残る“デジタル情報の本体”を特徴とする」と述べた。Googleのクラウドベースのアプリケーションを統括するジルアード氏は「わたしが使っているMacノートブックなどのクライアントについて、わたしは消耗品と同じように考えている。わたしの情報はクラウドに保存されているからだ」と語った。この発言に驚く人はいないだろう。

 「現在のクラウドが抱える問題は何か」とのオライリー氏の質問に対して、FlashとAIR開発プラットフォームを通じて非常にクラウドフレンドリーな技術を提供しているAdobeのリンチ氏は「クラウドサービスプロバイダーは非常にプロプライエタリなスタックを提供しているため、ユーザーがいったん採用すると抜け出せなくなる」と指摘した。マリッツ氏も同意見で、「これは開発者にとって難題となる。どのプロバイダー向けに開発するかで大きな賭けをしなければならないからだ」と述べた。Microsoft、Oracle、SAPなどのエンタープライズソフトウェアプロバイダーに対しても、何年も前からこれと同じ議論が繰り広げられてきた。歴史は繰り返す。

 しかし、ベニオフ氏は「Salesforce.comとGoogleの連携は、顧客に大きな価値を提供する相互運用性の一例だ」と述べた。Salesforce.comは、AmazonやFacebookとも連携している。しかし数社との連携が、真にオープンなエコシステムを構成するわけではない。

 ジルアード氏はクラウドコンピューティングの利益率に関する批判に対して、「クラウドコンピューティングは顧客にとって価値があるため、いずれ利益率が上がるだろう」と反論した。マリッツ氏は「高い利益率を実現するには2つのカギが必要だ」と述べた。ユニークな製品、そしてエコシステムを備えたプラットフォームである。Microsoft WindowsとOfficeの元責任者から出たこの意見に反論するのは難しい。ベニオフ氏は、IBMが1986年にエリソン氏の会社の利益率は低いと言ったことを引き合いに出し、「利益率が高まるのには時間がかかる」と指摘した。

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