ペタFLOPSの壁を突破したシステムが2台に。1位は引き続きIBMだが、Crayが躍進している。
IBMのスーパーコンピュータ「Roadrunner」が、2期連続でスーパーコンピュータTop500リストで1位を獲得した。
2008年11月の最新ランキングで、米エネルギー省のロスアラモス国立研究所のRoadrunnerは1.105P(ペタ)FLOPSのベンチマークスコアを記録した。前回(2008年6月)のスコアは1.026PFLOPSだった。
2位は米オークリッジ国立研究所にあるCray製の「Jaguar」で、スコアは1.059PFLOPS。Roadrunnerに続き、PFLOPSの壁を突破した。Crayは前回トップ10入りが1台だったが、今回は4台ランクインしている。
3位は米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所のSGI製「Pleiades」で、スコアは487.01T(テラ)FLOPS。以下IBMのBlueGene/L、BlueGene/Pが続く。前回トップ10に3台入っていた欧州勢は後退し、中国が10位に入った。
順位 | 開発元 | システム名 | スコア(TFLOPS) | 国 | 納入先 |
---|---|---|---|---|---|
1 | IBM | Roadrunner | 1105 | 米国 | ロスアラモス国立研究所 |
2 | Cray | Jaguar Cray XT5 | 1059 | 米国 | オークリッジ国立研究所 |
3 | SGI | Pleiades Altix ICE | 487.01 | 米国 | NASAエイムズ研究所 |
4 | IBM | BlueGene/L | 478.20 | 米国 | ローレンス・リバモア国立研究所 |
5 | IBM | BlueGene/P | 450.30 | 米国 | アルゴンヌ国立研究所 |
6 | Sun Microsystems | Ranger SunBlade x6420 | 433.20 | 米国 | テキサス大学高度コンピューティングセンター |
7 | Cray | Franklin Cray XT4 | 266.30 | 米国 | ローレンス・バークレイ国立研究所 |
8 | Cray | Jaguar Cray XT4 | 205.00 | 米国 | オークリッジ国立研究所 |
9 | Cray | Red Storm | 204.20 | 米国 | サンディア国立研究所 |
10 | Dawning | Dawning 5000A | 180.60 | 中国 | 上海スーパーコンピュータセンター |
日本勢は27位に東京大学のT2Kクラスタ(前回は16位)が、29位にNECとSunによる東工大のTSUBAMEが入っている。地球シミュレータは前回49位、今回は74位となっている。
プロセッサ別では、Top500中75.8%のシステムがIntelプロセッサを採用。この割合は前回とほとんど変わっていない。その次は、IBMのPowerとAMDのOpteronがほぼ同率(約12%)となっている。クアッドコアプロセッサ搭載システムの割合が急速に増えており、500台中336台がクアッドコアCPUシステムという。シングルコアプロセッサ搭載システムはわずか4台で、9コアのプレイステーション 3(PS3)プロセッサを搭載したシステムは7台だった。
ベンダー別では、台数ベースではHewlett-Packard(HP)が500台中41.8%を占め、37.6%のIBMがそれに続く。前回はIBMが42%、HPが36.6%だった。性能ベースではIBMが引き続き1位だった。
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