ガートナーによると、11のベストプラクティスを実装すれば、データセンター管理者は年間数100キロワット時の省エネが可能になる。11のベストプラクティスを紹介しよう。
ガートナーによると、11のベストプラクティスを実装すれば、データセンター管理者は年間数100キロワット時の省エネが可能になるという。それらのプロジェクトの多くは、まったく、あるいはほとんど予算も努力も必要としない。以下、その11のベストプラクティスを紹介しよう。
これがデータセンター管理者向けグリーンITベストプラクティスのリストだ。
上げ床の穴をふさぐ
ほとんどの上げ床環境では、配線口や電源口、その他の穴が開いたままになっており、そこから冷気が漏れ、暖気と混合している。この穴をふさぐというローテク改装で、データセンターの冷却システムで最大10%の省エネが実現する。
ブランクパネルをインストールする
ラックの未使用部分をブランクパネルでふさぐことで、他の機器の排熱がラック内の別の機器の冷気インテークへ流れ込むのを防ぎ、ラック内のエアフローを管理することが可能になる。パネルを効果的に用いれば、供給冷気の温度を最大22度(華氏)下げることができ、IT機器のファンの電力消費を抑え、データセンター内のホットスポットの解消にも役立つ。
CRACユニットを調整する
旧式のCRAC(精密空調)ユニットは、空調と除湿を単独で行っている。これらのユニットは新しい技術を用いて連動させ、冷房と除湿機能を調整できるようにするか、湿度管理機能を完全に切り離し、他の新しい技術に置き換えるべきだ。
床下エアフローを改善する
旧式のデータセンターの上げ床は一般に床下スペースがきわめて狭く、冷気の循環だけでなく、データケーブルや電源ケーブルの配線にも利用されている。古いデータセンターの多くは、それらのケーブルが束になってからまり、堆積して、円滑な冷気の流れを阻害している。そうした床下を整理整頓すれば、エアフローは劇的に改善される。
冷気通路と暖気通路を実装する
伝統的なデータセンターでは通常、ラックは”教室スタイル”と呼ばれる形式で設置され、すべてのインテーク面は単一の方向に向けられている。こうした配列の場合、1つの列から出た排熱が隣接する列に流れる冷気と混合し、冷気の温度にムラができたり、予想できない温度変化が生じる。この10年ほどの間に確立された最新のラックレイアウトを採用し、冷気通路と暖気通路を効率的に配置すれば、データセンター内のエアフローは格段に管理しやすくなる。
センサーを導入する
温度管理に問題がありそうなエリアには、シンプルな温度センサーを設置しよう。センサーが記録した温度データをマニュアルで収集し、スプレッドシートで分析する。こうした最小限の投資でも、データセンターの温度管理というダイナミックな問題にきわめて有益な洞察が得られるはずだ。そこからデータセンターの冷却システムに施した改善を評価分析する手法を確立することもできるだろう。
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