イノベーションに求められる企業情報基盤

去る11月18日、六本木アカデミーヒルズ40にて日立製作所のソリューションを紹介するOpen Middleware World 2008 Autumn Cosminexus Dayが開催された。当日は日立製作所の統合情報基盤「Cosminexus」が牽引するイノベーションについて、多数のセミナーが催された。

» 2008年12月02日 09時30分 公開
[ITmedia]

 去る11月18日、六本木アカデミーヒルズ40にて日立製作所のソリューションを紹介するOpen Middleware World 2008 Autumn Cosminexus Dayが開催された。挨拶に登壇した日立製作所 ソフトウェア事業部 事業部長の中村孝男氏は、現在の企業を取り巻く多様な課題を解決するには、イノベーションの創出の必要性があると述べた。それには必ずしも技術革新や特殊能力を持った個人が求められるのではなく、企業内のノウハウを活用し、人と知識を結びつけることが重要であるとし、これからのITには企業内の知を生かせる基盤となることが必要だと語った。

 日立製作所では、Cosminexusをこのようなイノベーションを支えるものとして位置づけている。ソフトウェア事業部アプリケーション基盤ソフトウェア本部本部長の林重年氏は、企業が成長していくための課題として知識創造を挙げ、利益を上げている企業ほど知識活動への意識が強いという現状を報告した。林氏は「企業の成長に求められるのは技術革新だけではない。知識、経験の連鎖がイノベーションを生み出す」と述べ、知識成長のためのメカニズムを作ったうえで、行動を実践することが重要であると語った。

ソフトウェア事業部 事業部長の中村孝男氏(右)とアプリケーション基盤ソフトウェア本部本部長の林重年氏(左)

 それには人とITの両方による取り組みが求められるという。まず、これまで暗黙知として個人に蓄積されてきた知識やノウハウを言語化することで、形式知として利用できるシステムを作ることができる。これには業務ポータルやSNS、FAQの整備、ビジネスプロセスの可視化など、ITによる支援が重要となる。このように得られた形式知は、人と人の間で共有することにより、さらに知識・ノウハウを深めることができる。Cosminexusはこれを「SOAプラットフォーム」と「コミュニティ」として捉え、イノベーションの創出に貢献するという。

 SOAプラットフォームとしては、業務フローの可視化やシチュエーションやユーザーのスキルに応じたナビゲーションなどでノウハウの活用を支援する。また、ITシステム構築の標準化を進めることで実装を高速化し、変化に対応できるビジネススピードを実現するという。一方、コミュニティの取り組みとしては、標準化の動向やITシステム事例の研究を進めることで、獲得された知識の進化を支援するとのことだ。日立製作所の今後の取り組みを見ていきたい。

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