Sun Microsystems:革新者のジレンマ「ネットワークこそコンピュータ」(2/3 ページ)

» 2008年12月03日 17時02分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Sunには何ができるのだろう。この会社は呪われているのだろうか。Sunの問題はビジネスサイドのリーダーシップにある、と指摘する声がある。だが、そうとも言い切れない。Sunには、技術サイドにもビジネスサイドにも、有能なリーダーが絶えず存在したからだ。

 たとえリーダーだった人々の数がそれほど多くないにしても、そのリストには業界の有名人がずらりと名を連ねる。例えばマクニーリ、シュワルツの両氏に加え、現Google CEOのエリック・シュミット氏はSunの元CTOだ。MotorolaのCEO兼会長に就任したエド・ザンダー氏は、前COOで社長だった。Sunの共同創立者でソフトウェアの天才児と呼ばれるビル・ジョイやJavaの生みの親であるジェームズ・ゴスリング、共同創立者でワークステーションを創造したアンディ・ベクトルシャイム、CTOで研究開発部門の上級副社長であるグレッグ・パパドプラスの各氏などは、誰もがその名を知っている。

 メジャーな標準化団体の作業部会を眺めても、World Wide Web Consortium、 OASIS、IETF(Internet Engineering Task Force)など、Sunの技術者たちが革新的なプロジェクトのリーダーシップを握っている。

 一方、社内でも、技術革新は継続的に勧められている。Sunは最近、オープンソースIDE(統合開発環境)「NetBeans」のバージョン6.5を発表した。

 Sunのデベロッパーツール部門マネージャ、デビッド・フォーク氏によると、NetBeans 6.5は、PHPに直感的かつ多機能なIDEを提供するとともに、Web、Javaソフトウェア開発のサポートをいっそう強化したという。またNetBeans 6.5には、中国語、日本語、ポルトガル(ブラジル)語対応の完全ローカライズ版が含まれる。さらにSunは、Pythonアプリケーション向けの早期アクセスバージョンもリリースした。このバージョンにはエディタ、デバッガに加え、Pythonランタイムが含まれる。

 フォーク氏によると、NetBeans 6.5には、CSS/HTMLコードコンプリーションや、Mozilla FirefoxおよびMicrosoft Internet Explorer内でクライアントサイドJavaScriptコードのデバッグができるJavaScript開発用エディタが搭載されているという。NetBeansの新バージョンは、Spring、Hibernate、JSP(JavaServer Pages)、そしてJava Persistence APIのサポートも強化した。さらに、エディタではGroovyやGrailsをサポートし、Rubyのサポートも拡張された。

 もっとも「Java開発者がわれわれにとって非常に重要な存在であることに変わりはない」とフォーク氏は強調する。NetBeans 6.5には、Java用マルチスレッドデバギング機能が搭載されている。

 「開発の分野では、混合言語プログラミングが主流になりつつある」と語るのは、nbPytonの開発リーダー、アラン・デービス氏だ。同氏はステートメントの中でこう述べる。「われわれはツールを一カ所にまとめる必要があった。NetBeansプロジェクトにPythonの早期アクセスバージョンが追加されることで、より生産的な開発が可能になるはずだ。このプロジェクトでSunと協力できたことは大きな経験になった。エンジニアたちはみんな超一流で、NetBeansコミュニティも神の恵みと霊感に満ちていた。この製品の開発に参加できたことをうれしく思う」

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