わが社のコスト削減
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» 2008年12月05日 10時09分 公開

Accenture View:競争を勝ち抜くアウトソーシングの効果的な利用法 (1/3)

アウトソーシングは日本国内にも急速に定着し始めています。人材不足に直面する日本企業の経営幹部が、専門性の高いスキルを備えた外部スタッフによって自社の労働力を補う手段としてとらえています。

[Michael Heideman, 五十嵐慎二(アクセンチュア),ITmedia]

 アウトソーシングは、これまで欧米特有のビジネスモデルと考えられてきましたが、昨今、日本国内にも急速に定着し始めています。人材不足に直面する日本企業の経営幹部が、専門性の高いスキルを備えた外部スタッフによって自社の労働力を補う手段としてアウトソーシングの重要性が理解されるようになったからです。

 同時に、アウトソーシングを戦略として活用することで、多くの利点があることが明らかになってきました。アウトソーシングによって業務の品質が標準化され、社員がより優先度の高いコア業務に注力できる環境をつくることで、企業は事業戦略を成功へと導くことができます。

 経営幹部はこのような知見を持ち、アウトソーシングを正しく理解することが求められるのです。

アウトソーシングに対する変化

 数年前まで、アウトソーシングという概念を受け入れることに躊躇する傾向が日本企業に見られたのは、主に2つの理由からでした。1つは、社外に委託するよりも大半の業務を社内で処理することで、品質を維持しようという方針のためです。もう1つは、労働力コストの差を活用したコスト削減の手法が、日本の雇用慣行には馴染まないと考えられていたからです。

 しかしながら、経済発展の鈍化、労働人口の高齢化、IT関連分野を専攻とする大卒者層の減少など、企業がかつて経験したことのないさまざまな要因に直面することで、経営幹部はこうした状況への対応策を真剣に再考し始めています。

 アウトソーシングがハイパフォーマンスビジネスを実現するための主要な要素の1つであることが明確になってきました。アウトソーシングによって社員がコア業務に専念できることで、自社の技術やビジネスプロセスを向上できる一方、経営コストの削減にも効果的です。従来のアウトソーシング契約の在り方を一新させ、適切なケイパビリティをバランスよく備えたアウトソーシングプロバイダーを選択することが、これらを成功させるための重要な鍵となるでしょう。

アウトソーシングに対するアプローチ

 理想的なアウトソーシングは、正社員を確保しながら柔軟性の高い人材プールへのアクセスを可能にし、企業のIT、ならびにビジネスプロセスの向上をもたらします。ビジネス目標を確実に実現するためには、以下に挙げる3つのアプローチ手法が必要です。

人材活用の最適化

 企業の多くは、専門スキルを持つ契約社員によって必要な人材を補っています。そのため、人材派遣会社への支払経費が人件費の75%にも上る場合さえあります。しかし、戦略的なアウトソーシングを導入すれば、数社の人材派遣会社と個別契約を結ばなくても、最適なグローバルソーシングモデルに則した業務遂行を、1社のアウトソーシングプロバイダーに託せます。

 調査会社のForrester Researchも同様の調査結果を発表しています。日本企業は人材の調達先を入念に絞り込むことにより、プロバイダーとの信頼関係を確立し、業務プロセスの精度を高め、一貫した管理体制を構築できるとしています。

 われわれアクセンチュアは、ある日本の大手企業において調達プロセスのアウトソーシングを支援した際に、このアプローチを適用しました。この企業は、過剰な直接材関連の費用支出という深刻な問題を抱えていた上、仕入れ先企業の情報収集やその実績評価、購買交渉を担当できる調達部門の人材不足に悩まされていました。解決の手段として、アウトソーシングを導入し、調達プロセスの一部を委託することにしたのです。

 グローバルレベルでアウトソーシングに携わった実績から、企業の変革支援や調達アウトソーシングに関する豊富な知見を生かし、この企業との間で、リスクの負担と成果に応じた報酬型の契約を締結しました。契約に基づき、調達プロセスの改善と業務管理システムの導入も実施しました。こうして、調達部門の人件費削減を可能にするプロバイダー1社にアウトソースしたことで、同社は早期に調達プロセスの最適化を実現することができました。

価値創出業務への社員の再配置

 アウトソーシングを導入し、定型化した業務、つまりノンコアな業務を外部へ委託することで、社員の業務姿勢にも変化が見られます。有能な社員のコア・コンピテンシーを生かし、研究開発などの全く新しい分野に配置することも可能となりますし、また、企業により高い価値をもたらすような業務を担当させることで、社員の意欲を刺激し、モチベーションを高めることにもなります。

 日本のある大手ハイテク企業とのアプリケーションアウトソーシング契約において、このアプローチを採用しました。この企業では、増加の一途を辿るITコストとレガシー環境により、製品の品質向上を主目的とした人材活用が困難な状況に陥っていたため、ノンコアな業務をアウトソースし、研究開発や顧客のエンゲージメントの獲得を目的とした製品の改善といった業務に、有能な社員を再配置することにしました。

 アウトソーシングを含めた業務編成への移行が円滑に進むよう、われわれはビジネスプロセスの標準化とアプリケーションのマネジメント・プロセスの改善を提案したのです。また、同社の現行システムとして運用されているアプリケーション管理システムの運用環境を向上させるため、サービスマネジメントシステムも新たに開発しました。

 さらに、この企業のITエキスパートの数人を、アプリケーションの運用・保守を専門とするアクセンチュアのスタッフとともに、新たなサービス部署に移動させました。この新組織が財務、調達、顧客関係管理、ナレッジ・マネジメントといった各システムの運用・保守を担当すると同時に、アプリケーションの開発サービスも手がけることになりました。

コ・ソーシング契約

 自社のITおよびビジネスプロセスを向上させるために、企業はアウトソーシングプロバイダーと自社の双方から必要な人材を集め、コ・ソーシング組織を編成できます。こうした手法を通じて、企業はアウトソーシングプロバイダーの熟練スタッフを活用しつつ、自社の社員にはITとビジネスプロセスに関する研修の機会を与え、スキルを高められます。契約期間の満了時には、契約を延長するか、もしくは社員を自社に戻し、習得したナレッジを自社に還元するのか、どちらかを選択することができます。

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