ITmediaがGoogleに勝利?――iPhoneアプリ市場のこれからオルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2008年12月05日 16時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

無料Webサービスの限界と今後

 さまざまなWeb上のサービスが展開される中、興味深いのはデジタル図書館のサービスだ。来館しなくてもオンラインで本を見られるのは素晴らしいのだが……。末岡洋子氏「欧州の視点」のEuropeanaがオープン…と思ったら、サイトがダウン?によると、EUでオープンしたばかりのデジタル図書館が、アクセス集中によってダウンしてしまったという。こういったサービスは、インフラが重要になるが、利用者がどれくらいあるのかといった目算が狂うと、このような事態になりがちだ。

 Webサービスには、加藤恭子氏「きょこ コーリング」の無料写真プリントのPriea(プリア)が終了、あれ?入れておいた写真も見れないの?のように、終了してしまうものも多い。サービスは無料で提供するといっても、企業が運営するものには利益が必要。加藤氏が指摘するように、広告がうまく集まらなければ、終了しなくてはならないものが出てくるのだろう。

 この不況下で、あらゆる分野で広告が減っている状況もあり、採算にシビアになるのも仕方がないことだ。この難局をどう乗り切るのか。無料Webサービスにとって、いまが正念場なのかもしれない。

Googleブック検索

 無料Webサービスが苦しむ中、Googleは積極果敢にさまざまなサービスを展開している。

 加山恵美氏「C'est la vie」のGoogle ブック検索が検索結果に出てきたでは、「Googleブック検索」について紹介。まだまだ検索できる書籍は限られるが、今後どうなるのか見逃せないサービスの1つだ。

 竹内義晴氏「竹内義晴の、しごとのみらい」のGoogleトレンドでわかる、日本の悲しい日常(笑)では、「Googleトレンド」の急上昇キーワードから、日本の現実を探り当てた。100位以内に「寂しい」というキーワードがあったというのだ。これがいまの日本の現実なのか……

不況の波は、ITベンチャーも淘汰する

 「寂しい」現実は、日本だけでない。

 金融危機を巻き起こしたアメリカは、ビッグ3のCEOたちの話題で持ちきりだ。佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」のもうプライベートジェットは使いませんって、子供が謝ってるんじゃないだから(苦笑)や、佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」の借金の交渉に、社用ジェット機で来るのはまずかったで取り上げられた内容だ。経営者としての資質が問われることのように感じたのは筆者だけだろうか。

 そして不況の波は、IT関連にも波及している。

 今年は、雑誌の休刊が相次いだ。松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」の「PC Magazineが紙媒体を終了」に感慨では、「PC Magazine」の休刊について触れている。といっても、休刊するのはあくまでも紙媒体の雑誌のみ。オンライン版は今後も存続するとのこと。現在でも利益の8割がWebサイトからというので、仕方がないことなのかもしれない。

 加藤恭子氏「きょこ コーリング」のセカンドライフ関連のITベンチャーSUN破産・・・では、ITベンチャー破産の話が。話題が先行したSecond Lifeの場合、ビジネスプランの読みの甘さが出てしまったといえようか。

 不況に関する話の中で、筆者が気になったのは、平野洋一郎氏「Alternative 笑門来福」の100年に一度の危機ではない!と、玉川岳郎氏「ニュータイプになろう!」のRe:100年に一度の危機ではない!。今回の金融危機では、「100年に一度」というフレーズをよく耳にする。「未曽有」の「金融災害」というわけだ。しかし、第二次世界大戦後に受けた日本のダメージは、今回の比ではない。トップが総辞職し、物も人もなくなった。それでも日本は立ち上がってきた。そう考えれば、今回の金融危機も切り抜けられるのではないか。そう思わせてくれたエントリーだった。

 そして川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」は、21世紀版 産業革命かと、長い目と短い目で、中長期的な目で、新たなビジネスチャンスが生まれるのではないかと指摘している。平野氏と玉川氏のエントリーと合わせて読むと参考になりそうだ。

 また、長島淳治氏「中小ソフトハウス 経営者の必要・必然」のコンサルタントに必要な周期性やルール化についてという投稿も含蓄があった。確かに、物事には周期性がある。つまり、それさえ見誤らなければ、乗り切れるということかもしれない。

 その中で、中村昭典氏「中村昭典の、気ままな数値解析」の【2.86倍】 新卒者内定取り消し報道を機に、その意味を考えてみる(前編)や、【0.99倍】 新卒者内定取り消し報道を機に、その意味を考えてみる(中編)で取り上げられた内定取り消しの話題。政府も何らかの対策を打つようだが、果たして効果があるのか。1つ言えることは、内定取り消しを行った企業のトップには、ぜひ、ここで紹介した平野氏、玉川氏、川上氏、そして長島氏のエントリーを読んでほしいということだ。

 さて、前回、加藤和彦氏「てくてくテクネコ」のベーシック・インカムについてのエントリーを紹介したが、今回は佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」でもベーシック・インカムについて取り上げられているので、読んでみてほしい。

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