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» 2008年12月09日 08時00分 公開

伴大作の木漏れ日:オフィスの通信費削減でリーダーシップを発揮せよ (1/4)

友人から電話が掛かってきた。「ちょっと、相談があるんだけど時間作れないか」という内容。用件は、経費削減の妙手がないかというものだった。

[伴大作(ICTジャーナリスト),ITmedia]

 友人から電話が掛かってきた。「ちょっと、相談があるんだけど時間作れないか」という内容。親しい仲でもあるし、久しぶりに彼の会社を訪れた。彼が切り出した用件は、経費削減の妙手がないかというものだった。

 唐突にいわれても、こんな話は困ってしまう。いずこをどうすれば良いのか、何の資料も持っているわけではないからだ。それで「一番簡単なところから」と思い、彼に質問をした。ちなみに、彼はその会社の実質的なCIO(最高情報責任者)だ。役職としては、情報システム部門を監督する立場だが、ほかの部署に対してはラインが違うのであくまで「実質的に」だ。

 真っ先に質問したのは電話とファクシミリについて。よくある話だが、コンピュータは情シス、ファクシミリや電話に関しては総務が管轄している場合が多い。彼の会社もそうであった。

通信料金

 一般家庭で電話代が高いと奥様からお叱りを受けるとか、子どもが使った料金がとんでもない金額になり、家庭争議になることがある。しかし、一般の企業では、社員の電話代が高額になり、それに対して責任を問うことなどあまり聞いた事がない。せいぜい、総務部から「経費節減」のお達しがある程度だ。

 以前、大手流通企業で社内通信をV-SATに全面的に切り替えた時に、実際にどの程度の通信料金を支払っているのか、衛星通信に切り替えてコスト低減が実現したかを聞いたことがあった。年間電話代だけで10億円をはるかに超えていた。それが、結果として4割ほどカットできたそうだ。

 このような状況の見直しは一般企業でも常に実施されている。その場合、回線の種類(専用線の導入)の変更で低減化を実現するなり、キャリアを変えて、料金を下げるなりの努力が行われている。

 また、ADSLや光ファイバーの普及、通信自由化により実現された「ドライカッパ」を使用した新サービスにより、料金面で低価格化は進んでいる。(認知度に少し問題はあるが)

 このように、回線料金そのものは低下してきたが、それでも、企業全体の通信コストは下がらないという事態が多く見られる。

なぜ通信料金は下がらないのか

 電話代に代表されるコミュニケーションコストは上記した電話代と機器リース料金により成り立っている。通信費が下がらない理由はこの両方に問題がある。まず、通信料金或いは機器のリース料金、保守料金が半分固定経費として扱われていることがコスト低減を妨げているケースが多い。

 通信機器は多くの場合、情報システム部ではなく、総務部などほかの部署が管理しているケースが多い。彼らにとって、それらのコストに注目するのは何年かに一度、入れ替えを行うときに限られる。

 これは、事務機器の代表であるコピー機も同じだ。部門に設置されているプリンタもこの対象に含まれている場合もある。それらの大半はリース契約で購入されるので、契約期間中の入れ替えが難しい。PBXやハンドセットもおおむねリース契約だ。

 仮に、機器が相当低価格化したとしても、以前の契約がネックとなり、切替に真剣に取り組まないのが普通だ。データ通信も同じだ。確かに安価なサービスが出てきたとしても、それまで、別の契約で導入している通信機器、コアルータ、エッジルータの交換もリース契約が終了しない限り、新しいサービスの導入に切り替えられないケースが多い。

 これが通信料金が下がらない理由の最も肝心な点だ。

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