オフィスの通信費削減でリーダーシップを発揮せよ伴大作の木漏れ日(4/4 ページ)

» 2008年12月09日 08時00分 公開
[伴大作(ICTジャーナリスト),ITmedia]
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サービスコーディネーター

 わたしは永らく「日本にはCIOなど存在しないし、仮に必要性があるとするなら米国流のCIOとは全く違った人物が企業のICTの中核に座るべきだと考えている」という持論を持ち続けてきた。

 上記したさまざまな機器は10年前ならそれぞれが独立したカテゴリーに属していて、それぞれ縦割り型のサービス形態を持っていた。しかし、TCP/IPが完全にデファクトスタンダードとなった現在、それぞれが相互に接続できるようになり、有機的な関係を保つようになった。時代は様変わりしつつある。

 携帯電話オペレーターはdocomo、AU、ハンドセットはパナソニック、シャープ、NEC。固定回線キャリアはNTT、KDDI、PBXとハンドセットはNEC、OKI、PCデスクトップはDell、HP、富士通、ノート・ブックはパナソニック、Lenovo、コピー、複合機はRicoh、Xerox、Canon等代表的なベンダーは限られてきた。企業あるいはユーザーニーズに最も適応したモノやサービスを選択し、コストを最適化することが求められている。できる人材はそれ程多くないはずだ。

 その人物を「サービスコーディネーター」に任命し、選択を一任する事が求められている。

最終ゴール

 この数年の技術進歩により、コンピュータを取り巻く環境は、著じるしい変化を遂げてきた。上記したネットワークもそうだが、コンピュータシステムそのものがネットワークと融合し、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)やクラウドなど全く新たな概念が生まれつつある。

 ファクシミリやコピーで扱うグラフィックデータ、電話が主体の音声データもネットワークコンピューティングの一環として考える時期を迎えつつある。

 この動きはベーシックトレンドなので、とどめるる事など不可能なのだが、当然、その流れについていけない人や企業が数多く生まれる。その人達や企業は昔ながらの機材に頼り、新しい技術や環境、操作についていけない。それに何らかの明確な対策を打たないと企業そのものの将来を危うくする可能性さへ考えられる。新しい技術イコールコストダウンの切り札とはいわないが、その幾つかは真剣に取り組んでおかないと取り返しのつかない事態を招く可能性がある。

 前記した、ファクシミリ、コピー、プリンタ等の統制を進める中でPCとの連係、それに習熟するためのトレーニング等を通し、コストダウンと社員のリテラシーを向上させることが、結局、企業の「IT経営」化を推し進める切り札になるだろう。

 次の、ステップは案外身近なところにあるのだ。それが、情報システム部門のゴールと重なっている。

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