時代はオープンソースからリーンソフトウェアへ逆襲のMicrosoft(2/2 ページ)

» 2008年12月10日 14時56分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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2009年のソフトウェア開発シーン

 一方、リマー氏はSpringのイベントで、来年のソフトウェア開発分野の動向に関する一連の予測を述べた。「昨年、わたしはオープンソースプロバイダーが躍進すると述べた。来年はリーンアプローチをサポートするベンダーが大きく成長するだろう。それはまさに成長のネクストフェーズである」

 リマー氏の第1の予測は、「リーンソフトウェアのスペシャリストが脚光を浴びる」。第2の予測は、「SAPプラットフォームの影響力が低下する」。第3の予測は、「MicrosoftはPaaSでIBMとOracleに打ち勝つ。Microsoftはクラウドベースのモデルの開発では、IBMやOracleよりアグレッシブだ」

 リマー氏の第4の予測は、「Sun Microsystemsが製品の統廃合で力を失い、生き残れないかもしれない」というものだ。「Sunは多くの製品をカットし、得意な分野にフォーカスした。もはや市場で遊ぶ余裕はない」。第5の予測は、「アジャイル手法が基準になる」。そして第6の予測は、「企業の日常的なワークロードはクラウドへ移行する」。

 リマー氏によると、クリエイティビティとビジネスの間には一定のテンションがあり、それがリーンソフトウェア化に拍車をかけるという。「われわれはすでにある種のブレイクポイントに達している。大手ベンダーの統合や予算の削減なども、リーンソフトウェアを加速する要因なるだろう」と同氏は語った。

 このほか、リマー氏によると、大手4社のエンタープライズベンダーがソフトウェア市場を支配する構図は今後も続き、Microsoft、Oracle、IBM、そしてSAPがこの順番で市場シェアを握り、10%から25%の成長率を維持したまま、全ソフトウェア市場の37%を占有しているという。

 さらに同氏は、SAPの12社からMicrosoftの29社まで、大手4社がここ数年、おびただしい数の企業を買収してきたことを指摘。「裕福な企業は買収によってますます富を蓄積している」と同氏は述べ、こうした動きによって、TIBCOやRed Hat、Sun、Software、Progress、SpringSourceなどが含まれるソフトウェア会社の第2層が生まれつつあるという。

 一方、「開発者の間では、Ruby on RailsやZend Framework、Spring、Mono、JavaFX、Silverlight、Flash Platform、Asynchronous JavaScript、そしてPaaSソリューションなど、フレームワークへの注目度が高まっている」と同氏。

 またリマー氏は、「ベンダーの統合化が必ずしもすべての顧客に利益をもたらしているわけではない」と述べ、顧客の多くはアプリケーション、とくにWebアプリケーションの開発コストの増大に苦しんでいると話す。

 「ベンダーの統合化で解決できない問題は多い」とリマー氏は指摘し、「クライアントはコストの最適化を望んでいる。あるいはコスト削減を目指している。人々はコストを抑えるためにオープンソースに目を向けたが、リーンソフトウェアは肥大化したベンダー、製品、アプリケーションを矯正することができるだろう」と語った。

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