ニコニコ動画で検証開始――ギガバイト単価200円を切るHPの超大容量ストレージコンシューマ向けWebビジネスを支える(2/2 ページ)

» 2008年12月11日 08時00分 公開
[石森将文,ITmedia]
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ピンチをチャンスに変え、成長へのIT投資を

米国HP NAS担当バイスプレジデント ドノバン・ニッケル氏 米国HP NAS担当バイスプレジデント ドノバン・ニッケル氏 「企業は不況の今こそ成長に備えてほしい。ピンチをチャンスに変えるのだ」

ITmedia 「ラージファイルを扱う」ような市場以外にもExDS9100ニーズを見出しているか。

ニッケル もちろん我々は「膨大なリッチコンテンツを扱う」というニーズへ対応するため、ExDS9100開発した。だが製品発表後、ユーザー企業やパートナーから、様々なユースケースでの活用シーンを提示された。例えば法令により、膨大な添付ファイル付きのメールログの保存を義務付けられているような国もある。日本市場でも(IT統制が求められるという)同様の事情があるだろう。ExDS9100のリリースで、HPのストレージポートフィリオは拡充した。従来スケーラブルNAS製品以外のディスクストレージ、テープストレージが用いられてきた市場に対する競争力も高いと期待している。そして、リプレースのニーズも大きいと考えている。

ITmedia 「競争力」というキーワードについて聞く。確かにHPは、サーバ/ストレージ市場シェアで存在感を示す。その要因はどこにあるのか。

ニッケル HPはサーバ/ストレージの総合ベンダーだ。そしてグローバルにビジネス展開することで、巨大なサプライチェーンを構築している。結果、R&Dへの投資も大きい。製品のコスト効率とパフォーマンスを最大化し顧客へ届けるという観点で、我々は競合に一歩先んじている。

ITmedia 省電力、グリーンITという観点でExDS9100の競争力は。

ニッケル 我々はサーバ/ストレージの総合ベンダーとして、各製品分野で、それぞれのパーツにいたるまで省電力の取り組みを続けている。またExDS9100やHPのサーバ製品でデータセンターの統合を図れば、ユーザー企業はファシリティを含めた省電力化を図れる。省電力観点のアセスメントや、ILM(Information Lifecycle Management)を通じデータ管理を最適化するソリューションも提供する。このような取り組みは、例えばストレージ専業ベンダーなどには難しいのではないか。

ITmedia ExDS9100が対象とする市場において、日本のサーバ/ストレージベンダーとは競争を拡大するのか。それとも共存を図りエコサイクルを築く方向か。

ニッケル わたしは競争が好きだ(笑)。そして勝ちたいとも考えている。しかし日本のベンダーとも10年来の付き合いがあるし、彼らとその製品を尊敬してもいる。ExDS9100が踏み込むのは新しい製品市場だ。そこでお互い競争し、拡大し、結果ユーザー企業に利益をもたらすことを目指したい。

ITmedia ユーザー企業の中では、昨今の金融危機によりIT投資の冷え込みも懸念される。

ニッケル 経済状況が厳しいのは事実だ。我々も懸念している。だが、それでも企業はビジネスの見通しを立てねばならないし、不況が永遠に続くわけでもない。景気はいつか回復する。その時、真っ先に勝ち抜けるのは、まさに今、成長に備えている企業だ。ユーザー企業は物事のマイナス面だけを見るのではなく「ピンチをチャンスに変える」という視点で、IT投資の必要性を再評価してほしい。

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