クラウドの儲け方キッコーマンが新たなプロモーション(2/2 ページ)

» 2008年12月11日 11時17分 公開
[怒賀新也,ITmedia]
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 この事例では、システムを提供するのが凸版印刷、システムを利用して新しい販促活動をするのがキッコーマンだ。クラウドでの儲け方という意味では両社に注目できる。凸版なら印刷技術というように、各企業が持つ強みをデータセンターに載せてクラウド形式のサービスとして提供すれば、世界中で自社の技術を使ってもらえるかもしれない。

「さまざまな業種から引き合いがきている」と話す凸版の石垣氏

 クラウドは、従来のASPを一歩進め、仮想化の仕組みを使ったインフラやWebサービス、SOA(サービス指向アーキテクチャ)といった技術を活用することで、より複雑で個別に異なるシステムを構築し、安定的に運用できるといった特徴もある。

 メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(MIJS)とNTTコミュニケーションズは12月9日、SaaS型のアプリケーションサービスの共同技術検証を2009年1月から6月まで実施すると発表している。従来のソフトウェアをクラウドで提供する動きだ。極端なことをいえば、あるプログラマーが休日を利用して書いたプログラムの自信作を世界に向けて売り込むことができるかもしれない。その意味で、クラウドによるアプリケーション利用が今後さらに普及した場合には、さまざまなサービスが乱立する可能性もある。これに関連して、クラウド形式でのアプリケーション提供大手米NetSuiteのザック・ネルソンCEOは「クラウド時代はサービスを提供する企業の社会的信用の有無がカギになる」と話している。

 今回のキッコーマンのように、企業によるクラウドの使いこなし方にも注目される。消費者生成メディアの普及など、インターネットの利用形態が消費者でも企業でも日々変化しているからだ。斬新なアイデアの数だけクラウドの儲け方があるのかもしれない。

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