IT戦略の立案――景気低迷の今こそ企業に貢献するGartner Column(2/3 ページ)

» 2008年12月12日 10時33分 公開
[小西一有(ガートナー ジャパン),ITmedia]
図3

 では、ここで図3をご覧下さい。これは、ある専門商社さんの主要なビジネスプロセスです。商社さんなので、当然のことながら販売プロセスは間違いなく「主要なビジネスプロセス」として位置付けられました。

 しかし、ここでもう一つの「サービスプロセス」も主要なビジネスプロセスとして位置付けられました。この商社さんは、メーカーさんから商品を買い付け、小売店に販売するというビジネスを展開しています。この商品の修理窓口を小売店や最終消費者向けに提供されています。修理では、商社が利益をあげることは不可能なのだそうですが、この窓口があるから消費者は安心して、この商社が取り扱う製品を購入することができるのだそうです。

 この商社のCIOにお伺いしましたら、「サービスプロセスは、そのものが利益を生むわけではないが、このプロセスが競合他社よりも優秀なことにより、結果的に販売実績に差が出ますから当社にとっては“競争優位を生み出すビジネスプロセス”であると定義できます」とおっしゃっていました。主要なビジネスプロセスは1つではありません。ビジネスプロセスの中には、競争優位を生み出すようなものもあれば、そうでないものがあることも分かってきました。

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