シトリックス・システムズは、XenAppのクライアントサイドの状況を監視するツール「Edge Sight」の機能を紹介。ユーザー視点で運用改善する情報を提供する。
シトリックス・システムズ・ジャパンは12月12日、XenAppのパフォーマンスを監視するツール「EdgeSight」の機能を記者向けに説明した。遠隔地にあるオフィスユーザーの運用改善などに役立つという。
EdgeSightは、XenApp 5のPlatinumエディションに同梱するツール。管理者に対し、デバイス、ネットワーク、プロセス、ユーザーの各レベルでパフォーマンスを監視。特にユーザーレベルでは、20項目でログイン状態を分析し、パフォーマンス低下時の問題がどこに所在するかを特定できるという。
具体的には、デバイスレベルではCPUやメモリなど50項目のパフォーマンスを監視する。ネットワークレベルでは、配信するアプリケーションイメージの遅延などを把握できる。プロセスレベルでは、アプリケーションのクラッシュや再起動におけるプロセスを管理者に通知する。
管理者は、ヘルプデスク対応でユーザーに詳細なヒアリングをしなくても、状況の再現に必要な情報を入手でき、システム改善に役立てられるという。
製品担当マネジャーのジェイムス・ミリングトン氏は、「アプリケーショントラブルの7割以上はユーザーが発見するが、実際に報告があるのはその6分の1という統計もある。トラブルに不満を抱えるユーザーに率先して対処するための情報を提供する」と話した。
例えば、「ある時間帯にパフォーマンスが落ちたがなぜか」という問い合わせに対し、管理者はセッション履歴からユーザーが利用した時間帯のシステム全体の状況を把握する。仮にパフォーマンス低下がみられたのがログイン時であると判明したら、認証時の問題か、アプリケーション配信時の問題かなどをさらに深く知ることができる。
また、システム全体を把握することで、特定ユーザーの問題か、トラブル報告をしなかったほかのユーザーにも影響するものであるかを把握できるという。これにより、しきい値などを設定して、ユーザーからの報告以前に管理者にアラートするといった体制を構築できる。
ミリングトン氏は、「特にリモートオフィスのユーザーの声を中央のIT部門に届かないことも多い。ツールを活用すれば、全社最適化や生産性の改善に役立てられるだろう」と話している。
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