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» 2008年12月19日 12時45分 UPDATE

中堅・中小企業向け製品:マイクロソフト、低コストの統合サーバソリューションを発表

マイクロソフトは12月18日、中堅・中小向け製品群を構成する新統合サーバソリューション「Windows Essential Business Server2008」と「Windows Small Business Server2008」の日本語版を発表した。

[ITmedia]

大手ITベンダーとタッグ組む

MS 中堅・中小企業の投資意欲を刺激できるか

 「Windows Essential Business Server2008(EBS2008)」は300ユーザー以下の企業や団体を対象としている。サーバ3台に分けてセットアップし、管理サーバ「System Center Essential2007」、メッセージングサーバ「Exchange Server2007」、セキュリティサーバ「Forefront Threat Management Gateway」という分け方になる。「Windows Small Business Server2008(SBS2008)」はSBS2003の後継製品で、75ユーザー以下を対象とし、サーバ1台にExchange Serverなどを導入する。

 コスト面では、EBS、SBSともに個別に購入するよりも価格は安くなる。EBSの場合25%で、SBSでは35%割安とのことだ。

 今回新たな統合サーバソリューションとして登場したEBSはネットワーク、電子メール、セキュリティ、ファイル共有、システム管理などさまざまなサーバ機能を包括的に提供しており、中堅企業のIT基盤としての役割を担うものだという。同製品は統合された管理コンソールを持ち、3台のサーバの管理も個別の管理画面を開く必要はない。また、インストール手順も簡略化され、個別に導入してインストールすれば約80時間かかっていたところを、8時間にまで短縮できたという報告もあるとのことだ。

 発表席上には、マイクロソフト関係者に加えてデル、日本IBM、日本ヒューレット・パッカードのサーバ事業の責任者や日本ビジネスコンピューターのERP事業の担当役員が登壇し、EBS、SBSを活用したソリューション戦略を説明した。

業績に貢献するIT導入を強調

 発表会で登壇したマイクロソフトの佐分利ユージン執行役常務は「厳しい経営環境の下、中堅・中小企業はより強い組織に生まれ変わり苦境を乗り越えていかなければならない。社員力を経営力に、というコンセプトを掲げる当社はEBS、SBSという製品で、企業の変革を支えていきたい」と話す。同氏は、IT投資意欲と業績との相関関係に言及し、中堅・中小企業の7割以上が業務改善やコスト削減を目的にしてIT投資に積極的だとした。また、Active Directoryの導入企業、非導入企業それぞれの過去5年間の業績やExchange導入企業と他社のグループウェアを導入している企業の業績比較などを示し、マイクロソフトの技術が企業業績に大きく貢献していることを強調した。

 また日本ヒューレット・パッカード ISSビジネス本部本部長の橘一徳氏は「中堅・中小企業の中には、まだレガシーなIT基盤を維持しているところが多い。こうした企業に積極的に働きかけ、業務効率の向上とコスト削減の実現を提案していきたい」と語った。

MS 個別に導入するよりもコスト面でもメリットがある。

 席上、「企業の中にはすでに新しいITインフラを構築している企業もある。そうした企業にとっては二重投資という印象はまぬがれないのではないか」という質問が出たが、それに対して佐分利氏は「EBS、SBSを導入することで得られるメリットはユーザーにとって大変大きいはず。こうしたメリットが理解されれば二重投資という受け止め方にはならないはずだ」とした。

 佐分利氏が強調するメリットは、マイクロソフトが展開する「Save Moneyキャンペーン」の中にその一端を見ることができる。同キャンペーンでは、仮想化テクノロジーで既存のIT資産の有効活用、プラットフォームの標準化によるシステム管理の自動化推進のほか、Web会議、IP電話などを使った出張費、通信費の削減などが挙げられている。EBS、SBSを情報基盤にしてこうしたメリットを経営に生かそうというアピールは、欧米に比べてIT導入率が低いとされる日本の中堅・中小企業にはまだまだITによる効率化を進めていけるという読みも働いているのだろう。

「気づき」の提供がカギ

 発表会では、すでに今回の製品を導入した企業の事例も紹介されたが、問題は不況が本格化するこれから。EBSやSBSを企業はどう受け止めるのか。中堅・中小企業を専門とするIT調査会社ノークリサーチの伊嶋謙二社長は「製品提供だけでなく、大手ハードウェアベンダーも参画していることで、マイクロソフトが中堅・中小企業向け市場に注力していることをアピールする効果がある」と話す。同氏はIT化の第一歩を踏み出しているような中小企業にとっては魅力があると見ている。しかし一方で、既に何らかの仕組みを導入しいている中堅・中小企業にとっては「二重投資」と受け取られる面も否定はできないとする。伊嶋氏は「将来的にビジネス上の利点があるといった“気づき”を与えられれば、景気が悪化する中でも購入意欲を刺激できる」とし、同製品が今後ユーザー企業に受け入れられる条件を示した。

 国内の中堅・中小企業はこれまでも好環境の下で事業を進めてきたわけではない。2009年度がどうなるのか、そして不況がいつまで続くのかが投資判断の大前提になる。伊嶋氏が指摘するように「ここは我慢して投資は据え置き」という考え方を「不況を脱出した後、ライバルに差をつけられていないように投資すべき」という考え方に変えるような、即効性が期待できるビジネス上のメリットをどこまで気づかせることができるかがカギになる。

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