コラム
» 2008年12月22日 08時55分 UPDATE

Weekly Memo:新統合サーバ製品にみるマイクロソフトの深謀遠慮 (1/2)

マイクロソフトが先週18日に発表した中堅・中小企業向け新統合サーバソリューションには、同社の深謀遠慮がうかがえた。その勘所とは――。

[松岡功,ITmedia]

活かされた過去の教訓

 「苦境の今こそ、攻めのIT投資が効果的であることをアピールしたい」

 マイクロソフトが先週18日に行った中堅・中小企業向け新統合サーバソリューションの発表会見で、同社の佐分利ユージン執行役常務は開口一番、こう強調した。

 同社がこの日発表したのは、中堅・中小企業におけるビジネス効率の改善と生産性の向上を支援する製品群「Windows Essential Server Solutions(以下WESS)」を構成する新統合サーバソリューション「Windows Essential Business Server 2008(以下EBS2008)」および「Windows Small Business Server 2008(以下SBS2008)」の日本語版(米国では11月12日に発表済み)である。

 いずれもサーバOS「Windows Server 2008」をベースに、メールサーバやデータベース、ファイル共有、セキュリティ、システム管理などの機能をパッケージ化したサーバスイート製品で、EBS2008が従業員数300人以下、SBS2008が同75人以下の規模の企業を対象としている。

 特長は「安い」「簡単管理」「生産性向上」の3点。とりわけコストメリットでは、単体製品を組み合わせて購入した場合と比べて、EBS2008で約25%、SBS2008で約35%安価に購入できるという。

 さらに詳細な製品内容については関連記事を参照いただくとして、筆者は今回の同社の発表で、過去・現在・未来の観点から3つのポイントに注目した。以下にそれをひもといていきたい。

 まず1つ目は、今回の新製品に過去の教訓がどう活かされているか、だ。同社は1990年代後半から中小企業向けに同様の製品を展開してきた。が、必ずしも浸透しなかった経緯がある。この点については、同社Windows Server製品部の林憲一マネージャーがこう語った。

MS マイクロソフトの中堅・中小企業向け新統合サーバソリューションの発表会見にはパートナー企業の幹部も顔を揃えた(中央がマイクロソフトの佐分利常務)

 「SBS関連製品は90年代後半から提供してきたが、これまではお客様ご自身で利用環境をすべて設定していただくことを前提としてきた。米国などではそれで受け入れられたが、日本の中小企業におけるIT導入はITベンダーがサポートするケースが多く、米国などとは事情が異なっていたことが(浸透しなかった)背景にある。そこで今回は、パートナー企業との協業の仕組みも取り入れたソリューション展開を図ることにした」

 今回の会見には、デル、日本IBM、日本ヒューレット・パッカードといった有力サーバベンダーの幹部も顔を揃え、それぞれに協業ビジネスへの取り組みを語った。さらにシステム構築サービスパートナーとして、キヤノンITソリューションズ、日本ビジネスコンピューター、富士通ビジネスシステムといった有力ITベンダーも対応表明を行っている。過去の教訓は、パートナー企業との連携強化という形で反映されたわけだ。

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