顧客のために、ものづくりの原点に返って体質改善を「2009 逆風に立ち向かう企業」:東芝ソリューション(2/2 ページ)

» 2009年01月23日 00時00分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]
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ITmedia しかし、どうしても投資が必要な部分というものはあります。

梶川 そのとおりです。投資するところは少ない。どうでもよいITを扱う案件は来なくなる。つまり、今は本当に必要な部分への投資のみ行われるわけで、まさにここがソリューションベンダーとしての真価を問われるときです。加えて、今まで築き上げてきた顧客との信頼関係が評価されるときです。われわれは当初より顧客志向を打ち出し、パートナーシップの確立に努めてきました。顧客と一緒になってその会社の価値を高めていく努力、じっくり深く向き合っていく姿勢が大切なのです。常に見守っていますという安心感を顧客に与えるための24時間365日のサポート(東京・府中エンジニアリングセンターが担当)も、われわれの姿勢を表す付加価値の1つです。

ITmedia SaaSや仮想化などに代表される新しいテクノロジーに、活性化の糸口を見出すベンダーもあります。こうした分野への注力は?

梶川 われわれの会社はもともとハードウェアの製造などにも関わってきた経緯がありますから、装置を含めたインフラ部分の構築に強みを持っています。こうした本業の得意なところ、強みをより伸ばしていくことが重要な課題です。こうした考えから、東芝ソリューションがSaaS事業へ新規参入するのではなく、SaaSのソリューションを提供する会社に対して、インフラ構築および運用保守といったサービスを提案していくといった活動が活発になっていくでしょう。あくまで顧客志向がモットーですから、顔を合わせたサービス提供が基本です。SaaSなど、不特定多数に提供する形態は、こうしたわれわれのスタイルに合致しないからということもあります。

 さらには、ソリューションの導入設置といったサービスだけでなく、従来から提供している運用保守のサービスをさらに拡大して適用していくことで、ワンストップの効率的なサービス提供も進めていくつもりです。そのための体制も整え、他社との協業といった展開も視野に入れています。ユーザー企業にとっては運用保守にまつわるコストの削減につながるため、今後期待できる分野です。

ITmedia 2009年そして2010年の厳しい状況を見据えて、ユーザー企業へのメッセージは?

梶川 現在は、効率化を進めていく中でも、やはり必要最小限の投資はしていくべきだという観点から提案を行っています。IT投資はいわば成長のための投資です。ここでそれが滞ると、何年か先のあるべき姿にたどり着けないということが起こります。とはいえ現実は非常に厳しいことも認識しています。ですからわれわれも社内努力を怠らない努力を続けています。

ITmedia 2009年の目標は?

社長就任(2005年)とともにゴルフを始めましたが、今年はそのベストスコアをぜひ更新したいと思います。「90を切る」とここで宣言しましょう! こうなるともう後へは引けませんから、良いクラブが欲しいですね(笑)。

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