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» 2009年01月26日 17時41分 UPDATE

伴大作の「木漏れ日」:こんな時代に業績が良い会社 (1/2)

最近ベンダーの人から「こんな経済情勢で業績の良い会社があるのかね」といった質問を受ける。確かに、ここまで不況が深刻になると、そういった情報が知りたくなるのも無理はない。

[伴大作(ICTジャーナリスト),ITmedia]

 「こんな経済情勢で業績の良い会社があるのかね?」

 最近ベンダーの人達からこのたぐいの質問を受けることが多い。確かに、ここまで不況が深刻になると、そういった情報が知りたくなるのも無理はない。

不況知らずの企業

 昨年の夏以降、TASPOの導入により、コンビニエンスストアやキオスクでタバコを買うというニーズが増えた。おにぎりなど「ついで買い」を誘い、売り上げ増加につながったといわれる。「TASPO効果」が薄れたころに、金融危機が突然日本を襲い、急速に消費者マインドを冷やした。マンション、建て売り住宅のような不動産市場はもちろん、自動車や家電などの耐久諸費財への支出も大幅に落ち込んだ。この傾向は日本だけではなく、世界でも共通している。衣料品など幅広い消費財にも広がった。

 百貨店はもちろん、スーパーマーケットのような小売大手はバブル崩壊後、坂を転がり落ちるように業績を悪化させている。だが、注目すべきなのは、コンビニの業績が総じて好調である点といえる。

 百貨店やスーパーマーケットはすべての商品カテゴリーをカバーしようとする。だが、現在の消費者は、品揃えの豊富な専門店に流れる傾向がある。その結果、衣料品ではユニクロを運営するファーストリテイリング、家電ではヤマダ電気、ヨドバシカメラのような大型店舗が好調だ。

消費者を知ることとは

 なぜ消費者はそのような購買行動に走るのだろうか。ここに今回の不況下で好調なビジネスを継続できる鍵が隠されている。

 消費者を一括りにすることに無理があるのは明らかだ。消費者は大まかに20代以下の若年層、20代後半からは30歳代前半、30歳代半ばから50歳代後半、それより年長の人で65歳までの世代、65歳より年長の人など、セグメントによって行動が著しく異なっている。なぜこのように分類するのか。答えは簡単だ。われわれが買い物に行く場合、購買客の世代が入り混じっている店の方が少ないからだ。売る側も対象顧客を絞っているから、当然、店に行く客は売る側の思惑に従い、限られた世代の人が通うことになる。これでは、店としては思惑の客層しか取り込めない。

 ところが、ユニクロやヨドバシカメラのような家電量販店などには、さまざまな世代の人が店を訪れている。これは、Toysrusのようなおもちゃ屋さんにさまざまな世代が来ているのとは、少し違う。おもちゃ屋さんの購買の中心はあくまで子どもだ。親や祖父母の世代は「財布」として店を訪れているにすぎない。

 この辺が、さまざまな世代を集めることに成功した業種やお店との違いだ。もちろん、コンビニもTASPOをきっかけにして、それまであまり、縁がなかったような世代を取り組むことに成功した例だろう。

任天堂の成功

 商品でも同じだ。ソニーのPlaystation PotableとニンテンドーDSではさまざまな世代を取り組むという勝負では、明らかに任天堂の方が優れている。大したコンテンツとも思えないが、明らかに40代、50代のユーザーの関心が高いダイエットや知的好奇心に焦点を絞ったゲーム、10代にも役に立つ、漢字や英単語など広い世代に訴求している。

 年代によっては、ゲーム機を買うことに一種の罪悪感のようなものを感じる人もいるようだ。任天堂の商品は、消費者が日常生活を送る上で役に立つという一種の「エクスキューズ」を用意しているために買いやすい。

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