日本HPがシステム構成情報の管理ソフトを発表、ITIL V3準拠を支援

日本HPは、連携したシステムの依存関係や構成情報を収集・管理するソフトウェア製品群の新版を発表した。ITIL V3に準拠した運用ができるようになるとしている。

» 2009年02月04日 19時14分 公開
[杉浦知子,ITmedia]

 日本HPは2月4日、構成情報管理ソフトウェアの新版と利用者の視点からシステムのサービスレベルを監視する新製品を発表し、同日に提供を開始した。連携したシステムの依存関係を可視化し、変更履歴も管理することで、障害発生時の原因追求がしやすくなる。

 発表したのは、構成情報管理ソフトウェア「HP Universal CMDB 8.0(UCMDB)」、構成情報を収集するモジュール「HP Discovery & Dependency Mapping 8.0(DDM)」、システム監視ツール「HP SiteScope 10(SiteScope)」、サービスレベル監視ツール「HP Business Availability Center 8.0(BAC)」。

 UCMDBは、DDMで収集したネットワークの構成情報や依存関係といった情報を格納する「CMDB」と変更などの履歴情報を格納する「History DB」で構成される。DDMは、ネットワーク機器、サーバ、アプリケーションなどをサポート対象とする。検出した構成情報に変更が発生した場合、変更前の情報をHistory DBに格納することで新旧の構成情報を一元管理する。ユーザーはWebのコンソールを通して構成情報や変更履歴の参照、リポートの作成・分析などに活用できる。

HP Universal CMDB 8.0を中心とした製品群

 SiteScopeは、ネットワーク機器やWebサーバ、アプリケーションサーバなどの稼働状況を監視する。BACでは、利用者から見た稼働状況、障害が与える影響などをビジネス視点で監視できる。Webサービスなどにアクセスするユーザーの体感するレスポンスを計測する仕組みを持ち、仮想ユーザーを立ててWebサーバなどにアクセスしてレスポンスを計測したりもする。メインフレームのレスポンスを計測する機能も持つ。

長谷修氏

 「コンポーネントやサービスが“どう連携しているか”という情報だけでは不十分」とHPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジー・ソリューションズ事業本部 マーケティング部の長谷修氏は言う。システムの障害に対処するには、システムをインストールする際に行ったテストの情報や、現在の運用に至った経緯などといったシステム全体の情報が不可欠という。BACでは障害が実際にビジネスに影響を与える前に原因を予測できる。

 同社ではこれらの製品を「ITIL V3を実装するもの」と位置づける。分散するサーバやアプリケーションといった各コンポーネントを分散環境に置いたまま統合し、その連携情報を一元化して運用する、ITIL V3で定義されるConfiguration Management System(CMS)コンセプトの実現をサポートするという。

 UCMDBは、ほかのHPソフトウェア製品群と連携できる。プロジェクトへの投資優先度などを管理する「Project and Portfolio Management software」やIT資産を管理する「Asset Manager software」、サーバ管理を自動化する「Server Automation Reporter」などと連携が可能という。HPソフトウェア以外の製品とも連携できるようAPIも提供する。連携モジュールを開発することで、相互に構成情報の取得や更新、分析などができる。

 これらの製品の販売について長谷氏は「分散したシステムの統合、経営視点での管理といった構成管理市場を開拓していく」とし、多くの構成情報を所有する大手企業やビジネス目線でシステムを管理したいという要望のある企業に提供していくとした。UCMDBの価格は、最小構成で1008万円から。

製品名 最小構成価格
HP Universal CMDB 8.0 1008万円〜
HP Discovery & Dependency Mapping 8.0 1万6800円〜
HP Business Availability Center 8.0 58万6950円〜
HP SiteScope 10 3万6750円〜

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