導入意欲高まる文書管理ソリューション 電子化の先にある経営判断の迅速化にニーズ「見直しが必要」8割に

文書を電子ファイル化してデータベースで一元管理するニーズが増えている。単に電子化だけで終わらず、文書管理による情報共有基盤を整備することで、経営判断に役立てようとしている。IDC Japan調べ。

» 2009年02月16日 15時18分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 過去5年間で文書管理ソリューションを導入した企業は3割を超えることが、調査会社IDC Japanの調査で明らかになった。文書の電子化して1つのデータベースで管理することで、情報共有を進め、経営の意志決定に役立てようとしている企業が増加傾向にある。

 過去5年以内に文書作成業務の見直しを図り、システムの構築や出力機、入力機の追加など、文書管理ソリューションを導入した企業は33.2%となった。見直しの回数は5年間で平均3.3回に上った。見直しを検討している企業は27.3%となった。

 今後見直しが必要かを聞いたところ、「非常に必要」(24.7%)、「やや必要」(55.1%)が多くを占め、全体の8割程度が文書管理を改善しようと考えている実態が浮かび上がった。

 調査結果は業種や従業員規模ごとにおおむね同じ傾向が見られたが、金融業や従業員1000人以上の企業は、平均よりも高い割合になったという。保管する文書の置き場所や管理に必要な人件費を抑えるために、多数の文書を扱う大規模の企業や業種は文書管理の効率化にいっそう注力している。

 文書管理ソリューションで構築したシステムは、「文書や関連データの分類/登録と管理」を目的とするものが半分以上を占めた。「文書や関連データのアクセス管理」「帳票データの電子化/共有/管理」が4割強と続く。「文書やデータのバージョンやライフサイクル管理」「機器管理」のシステムは2割程度と、ほかのシステムに比べ、導入が遅れている。

文書管理ソリューションで構築したシステム 文書管理ソリューションで構築したシステム(出典:IDC Japan)

 ソリューションの取引先や今後の検討先として挙がったのは、富士ゼロックスやリコー、キヤノンといった大手プリンタメーカー。富士通やIBM、大塚商会といったITベンダーはプリンタメーカーの後に続く形となったが、大規模な企業ほど、ITベンダーが提供する文書管理ソリューションを選ぶ傾向にあるという。

 IDC Japan ハードコピー・ペリフェラル&デジタル・イメージングの飛沢省二グループマネジャーは「ユーザー企業が文書管理ソリューションに期待するのは、文書の電子化やデータベース化より、情報の共有や伝達を効率化し、企業の競争力を高めること。ITベンダーは、ソリューションに加え、出力機器の管理といった細かなニーズに対応する必要がある」と発表文内でコメントしている。

 従業員規模100人以上の国内企業811社を調査した。

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