富士通、中堅製造業向け成果物活用ソリューションを販売開始情報連携のロスを低減

富士通は、2月19日より中堅製造業向け統合ERPパッケージソリューション「GLOVIA smart 製造 ECM」の販売を開始する。

» 2009年02月19日 17時14分 公開
[ITmedia]

製造業での業務スタイルを変える

 製造業の中でも中堅以下の企業では、各工程および部門を横断した大規模なプロジェクト管理の仕組みを導入せず、業務で発生する設計図、見積り、発注書などを工程別に管理していることが多い。そのため各工程の担当者が別工程の図面情報を入手したり、問い合わせをする際、多くの時間と労力を費やしているという実態があった。今回富士通が発表した「GLOVIA smart 製造 ECM」は、こうした情報連携のロスを最小限にするために開発された。

富士通 「ユーザーの期待に応え、ナンバー1のシェアを維持していきたい」と語る鈴木俊久統括部長

 中堅ソリューション事業本部 GLOVIA smart ビジネス推進部の鈴木俊久統括部長は、今回のパッケージソリューションの販売について次のように説明した。

 「ここのところの経済状況の悪化から、ユーザー企業は大規模なパッケージ導入がなかなかできないというのが実情だ。しかし、特に競争が激化している製造業において、IT投資を減らし続けることは、競争力の低下に直結してしまう。各調査会社の資料を見ても、当社のGLOVIA smartシリーズは多くの中堅製造企業から高い支持をいただいている。それは、この製品が必要に応じて段階的に選択、導入でき、またシステム同士の連携もしやすく、業務の現場、経営層、マネジメント層など社内のあらゆる階層のユーザーがメリットを享受できるという特質をもっているからだと考えている。今回発表するGLOVIA smart 製造 ECMは、GLOVIA smartシリーズのもともとの強みをさらに高める使い勝手の良い製品だと自負している」

 また、同事業部の大澤 尚担当部長は「GLOVIA smart 製造 ECMは製造企業の設計、製造、調達といった各部門同士が日常やり取りしている非構造化データを、効率的にやり取りし、共有するためのツールだ。デジタルデータや紙文書に関して、電話や、メール、ファクスなどさまざまな形態で情報を伝達し合うことは、ムダやミスを発生させやすく、情報共有のノウハウが属人化してしまう。GLOVIA smart 製造 ECMはいわゆるERP製品としてではなく、新しい業務スタイルを構築するための道具として考えてもらいたい」と話す。

富士通 「ERPの一部としてではなく、役立つツールとして活用してもらいたい」と語る大澤 尚担当部長

 製造業での設計図面情報やそれに紐づく各部品の見積り書、そして発注状況を記した書類などは、何度も各部門間でやり取りされる。そのやり取りのパターンはさまざまで、定形的なものではない。また、製品が特定顧客の発注する「一品もの」であった場合、設計変更などの回数も増える傾向にある。そうなると製造企業の現場ではますます非定形な情報のやり取りの回数が増える。

 GLOVIA smart 製造 ECMはこうした実情を踏まえ、企業内に点在する紙や電子ファイルの成果物を一元管理し、関係者全員で共有・活用できるようにしている。また関連する各成果物を部品表に紐づけることで、各部門から必要な図面や文書を部品をキーに検索することも可能だ。また、GLOVIA smartシリーズの生産管理ソリューションである「GLOVIA smart 製造 PRONES」との連携ができ、設計変更の際、対象製品や部品の生産・調達状況を設計側から確認することも可能。設計側はコストを意識した設計変更を自在に行うことができるようになる。

ミスの起こりやすいランダムな情報のやり取りを、フレキシブルで共有しやすい仕組みに変えることで業務スタイルそのものに変革が起こる

 GLOVIA smart 製造 ECMの販売価格は140万円(税別、基本+10クライアントライセン付き)から。富士通では、今後3年間で1000本の販売を目標としている。

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