日本HP 2009年のIntegrity事業戦略は「HP-UXへのシステム統合」3年未満で30%のコストを削減

日本HPは、既存のUNIX系システムをHP-UX環境へ統合する支援を行うサービスを提供する。アプリケーションのソースコードのアセスメントから技術支援までを一貫して提供する組織を社内に新設した。

» 2009年02月24日 22時50分 公開
[杉浦知子,ITmedia]

 日本HPは2月24日、同社のIntegrityサーバ事業の戦略の一環として、既存のUNIX系サーバから「HP Integrityサーバ」を用いたHP-UXプラットフォーム環境への移行を支援するサービスの提供を開始した。システム移行先のインフラ環境の構築から、アプリケーションサーバの移行、運用支援までトータルで提供する。

上原宏氏

 同サービスはSolarisやAIX環境のシステムを、HP Integrityサーバ群を用いたシステムに移行し、UNIX OSの「HP-UX 11i v3」プラットフォームでの運用を実現する。エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 BCSビジネス本部の上原宏本部長は「複数ベンダーの複数のシステムが混在する環境からHP-UXプラットフォームに統合することで、運用コストなどの透明化を実現する。透明化したコストを見直すことで、コスト削減を実現できる」と、統合環境への移行のメリットを話す。

 同サービスではアセスメントサービスとして、UNIXサーバ間でのソースコードの移行のアセスメントを行う。2週間でソースコードをアセスメントし、移行の難易度や移行可能かどうかの判断をする。「どのコードをどのように直さなければならないか、といったことまでリポートできる」とテクノロジー・サービス統括部 インフラストラクチャ ソリューション本部 データセンター トランスフォーメーションソリューション部の内田恵部長は話す。

 アセスメントサービスの後は、システム移行先のインフラ環境を構築する。ネットワークやハードウェアの設計と導入、技術サポートをする。インフラ環境を構築した後、システムの移行作業を行う。システムのソースコードをHPが預かり、コンパイルを完了させるまでのポーティングを行う。ポーティングテスト時に発生した問題をHPが電子メールで技術的なアドバイスをするサービスも提供する。

 既存のUNIXサーバ上で動作しているアプリケーションをHP-UX上の、OracleやTomcatなどのアプリケーションサーバソフトウェアに移行するサービスも提供する。アプリケーションのアセスメントや移行作業、移行後の技術支援を行う。

内田恵氏

 同社では同サービスの提供に伴い、専門の組織を新設した。エンジニアやコンサルタント、営業、マーケティングなどから構成される60人規模の組織で、移行サービスをトータルで推進していく。「従来は、サービス品質の向上やITとビジネスの融合といった要望が多かったが、最近はIT投資の抑制に対する要望が高まっている。HP-UX環境への統合によりITコストを見直すことで、2、3年で30%のコスト削減を見込める」と内田氏は自信を見せた。

 対応する移行元環境はSolaris、AIX、Tru64、HP-UX(HP 9000)、Linux。システム構築は個別見積もりとなる。アプリケーション移行およびアプリケーションサーバ移行におけるアセスメントサービスと移行作業サービスは、ソースコード50万行までで1アプリケーション当たり210万円。技術支援サービスは3カ月100時間までで210万円。

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