マイクロソフト、SaaS型のExchangeとSharePointを国内展開へGoogle Appsの対抗馬となるか

マイクロソフトは、米国で公開したSaaS型の「Exchange」や「SharePoint」を国内でも提供することを明らかにした。「Business Productivity Online Suite」という名称で、2009年上半期に正式に売り出す。

» 2009年02月25日 18時51分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 マイクロソフトは、企業向けオンラインサービス「Microsoft Online Services」を2009年上半期に国内で提供することを明らかにした。米国で2008年11月に公開した「Exchange Online」や「SharePoint Online」を国内でも展開することで、従来通りのソフトウェアの利用とインターネット経由でソフトウェアの機能を使うSaaS(サービスとしてのソフトウェア)を組み合わせて提供する同社の販売戦略を拡大させる。

 Microsoft Online Servicesは、電子メールや予定表、ファイル共有、グループウェアなどのアプリケーションを、サービスとしてWebブラウザ経由で利用できるようにしたもの。マイクロソフトが展開する企業向けSaaSのブランドという位置付けだ。

 Microsoft Online Servicesとして今回新たに提供するのは、グループウェア関連のサービスをスイート化した「Microsoft Business Productivity Online Suite(BPOS)」というサービス。電子メールや会議室予約の機能を持つExchange Online、ファイル共有やポータルを有するSharePoint Online、インスタントメッセージングや在席確認ができる「Office Communications Online」、Web会議やアプリケーション共有の「Office Live Meeting」で構成する。

 マイクロソフトは、Exchange ServerやSharePoint Serverなど、自社にサーバ環境を整備して使う製品と、インターネット経由でこれらの機能が使えるBPOSをそれぞれ拡販したい考え。「本社では自社運用、拠点ではオンラインサービスによる運用」(マイクロソフトインフォメーションワーカービジネス本部ビジネスオンラインサービスグループの磯貝直之マネジャー)というように、用途ごとに切り分けたサービスの活用ができる。

 BPOSでは、サービスの品質を保証するSLA(サービスレベル契約)について、各サービスの稼働率を99.9%と定めている。稼働率が99.9%を下回った場合は、サービスが使えなかった期間分の料金を返金することで対応する。「SLAの実績値は米国の導入企業では99.99%だった」(磯貝氏)という。

 Google Appsなどの他社サービスと比べて、「Exchange ServerやSharePoint Serverの機能をWebブラウザ経由で連携して使える」(磯貝氏)点が強み。「業務効率を落とさずに他社製品よりも低コストで導入できる」(同氏)ことが評価を受け、米国ではLotus Notesからの乗り換えを図るCoca-Cola、1万数千ユーザー規模で導入を進めるEddie Bauerなどの大手企業が同サービスを採用している。

 BPOSの価格は現在調整中。米国では1ユーザー当たり月額15ドルで提供しており、「日本でも同じような価格設定になる」(磯貝氏)という。日本におけるBPOSの展開について、マイクロソフトは3月以降に正式発表を行う見通しだ。

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